ルナ太郎の腹筋崩壊ブログ

私は…仮面ライダーゼロワンの気になった所を大人げなく殴り書くのが仕事だから!

ゼロワンより面白い脳内にAIチップ埋め込まれた近未来SF映画あるよ!(シューティングウルフSPに物足りなかったあなたへ)

それは2018年のアメリカ映画『アップグレード』です。

 

upgrade-movie.jp

近未来。グレイ・トレイス(ローガン・マーシャル=グリーン)は妻のアシャ(メラニー・バレイヨ)と仲睦まじい日々を送っていた。

しかしある日、謎の組織に襲われ、最愛の妻を失い、自身も全身麻痺の重症を負ってしまう。

失意の中、巨大企業の科学者がある提案をされる。

彼の目的は、実験段階にある「STEM」と呼ばれる最新のAIチップを人体に埋めることだった。

手術の結果、グレイは再び体を動かすことができるようになる。

そればかりか、「STEM」に身をゆだねると人間離れした動きができるようになり、人間を超越した身体能力を手に入れてしまう。

さらに、「STEM」は頭の中の相棒としてグレイと対話するようになる。

身体能力を<アップグレード>されたグレイは手に入れたこの力を駆使して「STEM」と共に妻を殺害した組織に復讐を誓うのだがー。

 

 

なんとも地味なあらすじ…!

 

これで主演がトム・クルーズだ、キアヌ・リーブスだと言えば話は変わるんでしょうが、映画通でなければ聞かないような役者さんがズラリと並ぶ作品です。

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どうだい?見覚えないだろう?

低予算のB級映画に分類されるように、近未来を感じるようなバリバリの想像を超える最先端技術は見えませんが、近々の未来ではありながら、AIが生活の一部になっている様はゼロワンよりも見れるものになっていると思います。

脚本・監督はあの密室ホラー「SAW」を手掛けた方なので、低予算ながらラストまで見れる作品になっているんじゃないでしょうか。

Amazonプライム会員であれば今、無料で見れる作品なので是非。

 

 

 

 

 

<仮面ライダーゼロワン視聴者として言える範囲の差し支えない程度のネタバレ感想>

 

ここからは核心こそ語らないまでのあらすじ以上のネタバレがあるやもしれませんのでご注意を。

 

まず、実は中盤でグレイは妻を殺されたという記憶の改ざんを受けたことをどこぞのナルシスト社長から告げられるというクソ展開ではないので安心してください(笑)

ゼロワンを読み解く上でいかに不破の掘り下げが甘いのかと、ある意味で理解を拡張させてくれる作品でした。

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ゼロワンの近未来感すごーい(棒)

脳にAIチップがあるというのは大掛かりな手術になって当然の代物なので、不破がそれを今まで無自覚でいたことの違和感や手術跡が微塵もないことなど設定の粗さを浮き彫りにしてくれると思います。

 

不破はプログライズキーを自らの手でこじ開ける怪力を怒り感情によるリミッター解除だとか、亡の乗っ取りの克服を“人の意志の強さ”と精神論で説明つけたのに対し、“常人を超えた動きが出来るのは人間業でないから”とする違いが面白かったですね。

人のリミッターを外せるのは人でないという視点は実にSFらしいです。

勿論、脳内にAIチップが埋め込まれた時に実際はどうなるかなんてファンタジーであるのでこの映画でリアリティを語るのは馬鹿馬鹿しい話ですが、亡のように電王でイマジンに取り憑かれて意識が乗っ取られたどうのと語るよりどうしてAIに動きを委ねられてしまうかなど科学的な理屈で説明してもらえた方がSFの需要としてシームレスで入ってきますよね。

ゼロワンPはあくまで「AIに負けない情熱と夢を持て」という押しつけがましいメッセージがある分、AIとの利点、ヒューマギアと共存に対して精神論で歯切れの悪い答え方をし続けるのに対し、容赦なくAIの人間を超えた能力でマウントを取る「アップグレード」の作風は対象的で印象深いです。

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はいはい、ウホウホ

 

アクションパートに関しては動きこそ斬新なものの やや単調なので、ゼロワンに通ずるハリウッド映画のワイヤーでピョンピョン、VFXバリバリの戦闘シーンを求めると肩透かしを食らうと思います。

動きはマトリクスの奇妙さに近い、非人間的な動きといったと感じでしょうか。

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慣れると見てられるアクションです

 

映画の尺も90分強とハリウッドでゴールデン比的に考えられている飽きない、程良い尺でテンポよく見せてくれる辺りはゼロワン寄り。

暴力による人の生き死にがあるので多少のグロシーンに体制があれば問題なく「見れる」作品だと思います。

(マギア化した腹筋崩壊太郎が、人間バージョンで貫通ライダーキック受けたぐらいのグロ描写がちょろっとあるぐらいの覚悟で見てもらえれば)

 

製作プロデューサーはアフリカ系差別をブラックユーモアに乗せつつ、薄気味悪く描いた『ゲット・アウト』を手掛けた方なので、『ゲット・アウト』と『SAW』が融合したSFサスペンスとして楽しめると思いますので気になった方にはおすすめです~。

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ゲット・アウト』に出てたメイドさん出とるで