作り手の結論、アイちゃん不要(仮面ライダーゼロワン第39話「ソノ結論、予測不能」)
幼少期の自分を支えていたのが飛電の人工知能だったことを思い出した垓は、飛電インテリジェンスを愛していることを或人に告白する。
共にアーク打倒に向けて協力することを約束するが、或人ばかりでなく諌や唯阿も簡単には垓のことを許すことができない。
一方、ゼロワンとサウザーの予想外の共闘に作戦を変更したアークだったが、雷(いかづち)の脳裏には飛電インテリジェンスのヒューマギアとして生きたときの思い出が去来し始める。
異変を来す雷はやがて、予想外の行動をとって―――。
- <かえって邪魔になったアイちゃん>
- <aiboのコラボは38話と39話まで?>
- <憑きものが別に憑いたような垓>
- <消えるアイちゃん、さうざー、1000%>
- <アークの復活とは>
- <イマイチ上手くない決めセリフ>
- <いよいよ『半沢直樹2』がスタート>
<かえって邪魔になったアイちゃん>
https://twitter.com/lespros_nachi/status/1282114836646649857?s=20
【期間限定配信🎶】
— 仮面ライダーゼロワン (@toei_zero_one) 2020年7月19日
39話で #aibo 演じるさうざーがキメた変身ポーズの特別配信がスタート🐾✨
aiboに「ぜろわんにへんしん」「かめんらいだーぜろわん」と声をかけるとゼロワンの変身音にあわせた特別なふるまいを披露してくれます🐶💕
8/2までの期間限定です!#仮面ライダーゼロワン #ゼロワン pic.twitter.com/fY1UGDkSb1
仮面ライダーゼロワン39話、ご視聴ありがとうございました!🐶
— 岡田龍太郎 (@RyutaroOkada) 2020年7月19日
さうざーかわいいねえ🐕🐕🦺 pic.twitter.com/huxpiLTphH
ゼロワン39話ありがとうございました!
— 桜木那智 オフィシャル (@lespros_nachi) 2020年7月19日
共闘熱かったですね。
さうざーほんまにかわいいなあ。
この先どうなっていくのか、ほんとに目が離せないです!
次回も楽しみすぎます!
お楽しみに✌️
キャストブログ担当してますので、こちらもぜひ。https://t.co/X6Cqd8zgDY pic.twitter.com/ohQOZ86JjF
ゼロワン第39話ご視聴ありがとうございましたぁ!!
— 砂川 脩弥 (@suna_syu_) 2020年7月19日
ゼロワンとサウザーの共闘熱い。
アークさまカッコいい。さうざーかわいい。とにかく最高!
川息子😀 pic.twitter.com/a0fawYHKAm
ネゴシエーターとしての能力にあふれるアイちゃんでしたが、所詮、四肢もなければ表情も存在しない単なる立方体。
カメラ映えもしないのであれば、謝罪の席には必要ありません。
不破と刃の友達になったアイちゃんであれば、和解の仲介をしてくれそうですが、撮りたいのはさうざーにデレデレの垓が土下座する様なので邪魔なだけ。
仲良くやれている刃と不破も取り持つ必要さえなくなったのです。
おやっさん枠と称させてもらいましたが、所詮、大森ライダーにおやっさんは要らないということでした。
来週以降、また出てくると良いですね~(鼻ほじ)。
<aiboのコラボは38話と39話まで?>
7月12日放送の第38話、19日放送の第39話に出演する。
公式、各メディアではaiboのコラボがあるのはこの2話分としました。
なんと終盤にして品詞で退場した大和田伸也枠にあたるのです。
次週もピョコっと登場するかも知れませんが、明確な退場理由を提示することなく、さうざーはアイちゃん同様に急に姿を消すかもしれません。
東映が買い取らない、期間限定のaiboの貸し出しなどの大人の事情かもしれませんが、垓が改心するキッカケが忽然と姿を消すならプロが作るものとして面白いなぁと楽しみでもあります。
<憑きものが別に憑いたような垓>
先週分の記事でも申し上げました通り、垓が犬型AIとの悲しい思い出があったことでAIロボットに対しての認識が歪んだこと、飛電社への愛が歪んだことの説明はつきます。
しかし逆に1000という単位に対するこだわりや人間さえも道具のように扱う非道さがなくなったことの説明はついていません。
第28話で垓が不破を犬に例える台詞があります。
「野良犬は我々の飼い犬となる。」
勝手な行動をする不破を野良犬に例えた上での比喩になりますが、さうざーの件と重ねると犬に対して特別な感情を抱いているようには思えませんよね。
人を野良犬だ飼い犬だと例えるような輩の発する
「人工知能は単なる道具だと今まで思っていた。だが、さうざーは違う。私の心の友だと気づいた。人と人工知能が心を通わせ、笑顔になる。飛電の夢を誰よりも実行していたのは私だったんだよ。」
を心から言ってると思いますか?
道具に過ぎない不破を力づくで心の友にしようとしていたんのならまだ辻褄は合いそうですが、それではサイコパスの域です。
ここに説明がつかなければ、不破や刃に頭を下げる道理がないわけです。
しかし、頭を下げた或人と いとおしくてたまらない さうざーからお叱りを受けてしまったから、悲しむ様をみてしまったから床に頭を付けんばかりに謝罪するのです。
ゼロワンのキャラは誰も口にしませんが、垓の言っていることはこれまでの行いからは信用に足りるものではなく、「さうざーのために謝る」ように見えてしまうでしょう。
或人から見れば、共闘したとはいえ、ダッシュで逃げてきた雷電よりも信頼できない相手に見えてもおかしくありません。
垓の言葉を本当に信用しているのは、お人好しのゼロワン視聴者ぐらいじゃないでしょうか。
とはいえ、「他人をも利用でも完璧にこだわる1000に対する執着」は消し去らなければこれからの共闘展開のノイズになりかねません。
そこで魔法の言葉が現れましたよね。
「まず、その1000パーセントっていうの、やめれば?」
突然、核心をついてきました、或人社長。
簡単にキャラの個性を消し去ってしまうような明確で強いエピソードは用意できなくても、頭を下げた先方に促されてしまえば、やめざるをえません。
ここで父親からの呪いの言葉 兼 シリアスなシーンに不要なノイズフレーズの呪縛からは解き放たれてしまったのです。
大森Pと脚本の高橋氏の対談で1000%を口癖にした理由を語っています。
まず、まったく手がかりない状態で、垓が変身する仮面ライダーをサウザーという名前にしたんです。
ゼロワンに対するサウザーなんですけど、そこから1000の男、1000%が口癖になっていった形です。
けっこう貪欲というか野心が強いキャラになったのは、そうすることで或人と対比しやすいんじゃないかという狙いですね。
サウザーって言葉を出したときに、「いや、それ『北斗の拳』ですよ」って、すでにネットとかでは言われていますけど(笑)。
それはサウザンドのサウザーなんだよというのをわかってもらうために、2回目の登場くらいから急にパーセントを口にする奴にしたんです。
物語の設定上はともかくとして、制作の狙いとしては語られた通り。
クウガの雄介の特技数オマージュが狙いでもなければ、湯婆婆の命名リスペクトでもないわけです。
つまり、サウザーが作られた流れとしては
ゼロワン(01)の対でライバルライダー“サウザー(1000)”が決まる。
↓
サウザーの由来である口癖を「“1000”%」の変身者にする。
↓
それなのに「『北斗の拳』のキャラ」と言われて制作苦笑。
↓
檀黎斗越えを目指すべく、ネタシーンを盛り込み奔走(邪推)
↓
垓の終盤の立ち位置は味方に入れる方向に決まる。
↓
aiboのコラボが決まり、aiboが絡むエピソードで垓が仲間入りする展開を狙う。
↓
ソーシャルディスタンス対応でアイちゃんの登場が固まり、aibo扮する(?)さうざーの前段に。
↓
さうざーのエピソードでサウザーの物語上の由来が決まる。
↓
垓も仲間入りして1000%とサウザーの由来に説明がついたので、さうざー、アイちゃん用無し。
↓
誠意を見せる理由にして「1000だからサウザー」は撤回しちゃえ。
このように、aiboとのコラボが後付け的に決まり、仮面ライダーサウザーの名前が元愛犬ロボということにもなったので、真に“1000%”はお役御免になったのだと思われます。
垓には“1000”という憑き物が消え、新たに“さうざー”という憑き物が憑いたのです。
本来、口癖などはキャラクターのエッセンスになるものですが、別作品のキャラと思われないかと気にしていることも驚きですし、安易な理由で決まった口癖に関するエピソードが後付けの力技なだけでなく、ペットロボの名前の由来にシフトして、最終的に口癖を封じてしまうというのはプロの仕事なのかと疑ってしまいますね。
(結局、宙に浮いたさうざーそのものの由来は『北斗の拳』のサウザーだったと一部で言われていて笑えます。→Twitterでの「さうざー 北斗の拳」の検索結果)
そもそも、『北斗の拳』との勝手なコラボを煙たがる大森氏ですが、元々、など他の少年漫画のパロをする以上は当然言われる冗談ですよね?
<消えるアイちゃん、さうざー、1000%>
そこに残るのは改心し、許された天津垓です。
この立場に持ってくるために話題の声優起用とAIロボットのコラボを投入し、アクの強い決めセリフを抜くことでスリムになったキャラクター像で晴れて正式に仲間入りを果たしたわけですね。
『仮面ライダービルド』でもアイテムを精製したり、歯が立たない敵を封じ込めたり、逆に敵になって手を焼かせたりした便利キャラがいましたが、特に理由もなくフェードアウトするなら、ある意味でゼロワンはアレを越えたように思います。
さうざーは物体ではなく、由来として概念で仮面ライダーサウザーに憑いたので無理に登場させなくてよくなる、という判断になるのだと思います。
わざわざ破壊して退場させることもないとは思いますが、ここまでガッツリとキャラクターの心を氷解させてちょっとしたゲスト枠で消費していいのかと。
まあ、困った時にアイちゃんも含め、さうざーがまた突然現れるかもしれませんし、垓がまた1000%を口走る可能性も十分あるんですけど。
<アークの復活とは>
「滅~。僕も欲しいな、プログライズキー。」
「我々の目的は人類滅亡だ。そのためにはゼツメライズキーが先だ。戦闘後のデータを収集し、アークを復活させなければならない。アークに接続できれば一斉にヒューマギアを暴走させられる。」
これは第5話での迅と滅のやり取りですが、当初、滅亡迅雷.netの目的はゼツメライズキーによる戦闘データの収集です。
まずここで滅と迅がゼツメライズキーで変身すればいいという矛盾が生まれます。
ここで最新話まで飛びますが、垓がアークの復活をこう説明しています。
「元々、アークの復元はゼアのデータがカギとなっていた。アークはゼアのデータを深くラーニングすることで、衛星ゼア本体にアクセスするつもりなんだ!」
当初はゼツメライズキーによるデータ収集がアーク復活の要となっていましたが、今ではプログライズキーのデータおよびゼアへの接続が重要条件になったようです。
そうなれば元々プログライズキーの収集もゼロワンドライバーの奪取も滅亡迅雷.netには必要だったことになりますが、迅が自身の変身アイテムとしてファルコンキーを奪った時を見ても「アーク復活のため」という目的が控えているようには到底見えませんでした。
仮面ライダー雷がゼロワンやバルカンを一蹴した際にも落ちたプログライズキーを拾うに留まり、ゼロワンドライバーを奪おうとしないなど、今回アークを説明した理屈と矛盾するのです。
あの時、アークを簡易復活させた後にゼアに直接接続してしまえば全て終わったのではないでしょうか。
亡が不在の中、先にアサルトウルフキーを生成して何になるんだか分かりません。
まして、今回アークがサウザーから奪ったプログライズキーのデータは去年、雷を通して得たプログライズキーのデータやランペイジガトリングキーを作る際に利用され既に入手しているものだと思うのですが…。
ここまアーク製アイテムに不破が絡むのに、アークが不破に全く執着しないのも何の因縁もなくてもったいない気もします。
「アークの結論は誰も予想つかない」とサブタイトル通りに説明付けてしまえばそれまでですが、こんなに二転三転するアークの復活劇をまともに考察していた特ヲタは憤慨しないんですかね?
抽象的なイメージ映像のOPから考察したりしてるので、そこまで気が回らない人たちなのかもしれませんけど。
<イマイチ上手くない決めセリフ>
第39話終盤のやり取り
「もう私を止められる者はいない…誰一人。」
「俺が…止める…。」
あからさまな振りで吹いてしまったのですが、これは天下のゼロワン決めセリフ
「お前を止められるのはただ1人…俺だ!」
を成立させるための言葉です。
以前からあの決めセリフは何にかかっているのか、初めて聞いた際には「ただ一人…“O”nly 1…ゼロワン!?」「俺(0)、1人(1)なのか…でも逆だな?」と微妙すぎて頭を抱えたものです。
第1話ではイズや怪人となんのやり取りもなくこれを発したので、最初っから「全く上手くない構成だな」とも思いましたね。
「誰かアイツを止めてくれ!誰かいないのか!?」等をくすくすランド園長に言わせるだけでも成立しますから。
他にも、第30話で衛星ゼアの通信が取れないはずのゼロワンドライバーが反応したことで垓が「…何故だ!?」と発した際にも「お前を止められるのはただ一人…俺だ!」と返しています。
もう下手くそでしょ。
元お笑い芸人や社長業ともかかっていなければ、01ともかかっているか怪しい決めセリフの振りがゼロワンドライバーを奪われてからやっとこさ成立するようになったのかと呆れました。
もし、私の読み通り「“O”nly 1(01)」「俺(0)、1人(1)」でゼロワンのつもりならば、玩具の宣伝明らかな仮面ライダーゼロツーの変身にさらに何もかかっていないことになってしまいます。
決めセリフを「お前の負けは決まった!乙(02)!!」にでも変更するのでしょうかね(笑)
そこtt『ps://twitter.com/suna_syu_/status/1284712574169178114?s=20
<いよいよ『半沢直樹2』がスタート>
お仕事5番勝負はサブタイトルも含めて業種が色濃く関わる過去の名作ドラマや映画のオマージュ*1が散りばめられていました。
なので、私はTBS系ドラマの池井戸潤原作の『半沢直樹』や『下町ロケット』も必ず取り入れてくると踏んでいました。
しかし、ご存じの通り、5番勝負に「銀行員対決」や「町工場対決」などはなく、片鱗も見えなかったように思います
が。
確かに先の展開を見据えて、『半沢直樹』に通じる展開が第29話にあったのです。
土下座です。
私は必ずこのゼロワンで土下座返しが来ると確信しました。
そして、今回決行されました。
返す相手が変わったので倍返しみも薄いですが、確かに土下座をさせた側がする立場になるというしつこいほどの因果応報展開でした。
辞表パンチ、半裸に続いてこの土下座返し展開は、垓をいじめ抜きたい制作にとって譲れなかったように思いますねぇ。
本来ならば、或人の「土下座をして下さい。…しろー!」が炸裂しないとオマージュにもならないのですが、そういう強要がそもそもパワハラ行為に該当するので、
「不破さんと刃さんの事だって、罪を償う気があるのなら これからの行動で示してくれ。」
「謝罪の意を表現する最敬礼の角度は90度です。」
に留まるしかなかったのでしょう。
最初の方でお話した通りですが、アイちゃんの中継ぎや、さうざーによる場面の緩和も土下座への工程をマイルドにするものだとも思います。
勿論、正義のヒーローが土下座の強要をするのは子供向け番組でおかしな話なのですが、もっと言えばニチアサに『半沢直樹』をしようとすることがおかしいですからね。
あの手の悪事を成敗するのは『水戸黄門』などをやっていた時間枠の、それこそ『半沢直樹』が相応しいのだと思いますよ。
「悪いことをしたら謝罪する」、「誠意が見られなければ無理に許す必要もない」という子供向けコンテンツらしいメッセージがあると評価する人もいるようですが、犬(大事な身内)のために誠意を見せる方法として土下座という謝罪方法を提示することが子供向けとして正しいとも言えない気がします。
或人も勝手に土下座したので、この土下座ラリー自体が出鼻からくじかれていたりもしましたし、あの土下座ってなんだかな?です。
*1:と言い訳した悪ふざけ