仮面ライダーオーズ完結編「復活のコアメダル」の結末について
当たり前ですがネタバレます。
今回、賛否両論ある結末については避けようがない、必然であったなと思っていて。
というのも、TV本編(アンクの死)、『MEGAMAX』(アンク復活の未来提示)、『平ジェネFIN』(仮初めのアンク復活)が来た以上、この結末しかあり得なくなってしまうということなんですよ。
本来の10周年であれば、レギュラー陣総出ならなおのこと『平ジェネFIN』のビルド&エグゼイド&オーズ以外のレジェンド抜きで仮初めのアンク復活をやるのが妥当な線ですが、もう既にやってしまっている。
さらには『MEGAMAX』で、アンクが復活している先に映司は不在、ポセイドンの横行が許され、仮面ライダーアクアがオーズの代わりに戦う未来が決まっているので、アンクの復活は確約されたものの、「アンク復活する未来に映司が不在」でなければならなくなってしまったのです。
『復活のコアメダル』が決まった際に思うこと記事を上げつつ、どう書いたか読み返すのも面倒臭いんですが(笑)、『MEGAMAX』の指す未来ならば「おじいちゃん映司の横に復活してあの頃の姿のままアンクがいる」が成立しそう、そこで老いの関係で映司が先に逝きアクアに繋げることは出来そうだと思っていました。
しかしそれは小説など受け手の想像力に委ねる媒体の作品であればまあ許されそうなことであって、実写化でやる場合はもっと何がどう起きて代償に何を失ったかを酷であろうと明確に示さなければならないと思うんです。
曖昧なまま来たアンクの復活を結局有耶無耶にしていくのは不誠実になると思いますし。
ズルズルとアンク復活の兆しを擦って来た以上はアンクをここでハッキリと復活させ、綺麗に締める…もう10周年にオーズを完結させるしか道はなかったワケです。
オーズを閉じるということはアンクが復活するということ、アンクINの映司OUTにさせざるを得ない、となると映司は死ぬしかなかったということになったんだと思います。
そこを突き詰めた作品だったと。
とはいえTV本編だけを思い返せば、アンクは自身の死を以て、自分のせいで誰かを死なせてしまう事実から自己犠牲の塊になってしまった映司を解き放ったラストだったはずです。
少女を守れず悔い続けた映司を解放したのは最終的に利害の一致から始まった関係のアンクであり、他者を救うことで命を懸けすぎず、自分を思う仲間がいることを知った、アンクへの手を放し、手を伸ばされる側になった映司で終わったんですよ。
もちろん、それなのにアンクに自身の命を捧げて復活させるだけなら超ナンセンスですが、別の少女を守った結果、致命傷を負い、であればとアンクに命を譲るという構図は、少女を守りきれるかどうかで「守れたね」と対になるものの、TVシリーズで出した答えの否定になってしまう気がしました。
死に急いでしまう映司を改心させる、それがオーズだったように思うのです。
しかし、上記で述べた通り、アンクの完全復活に映司の不在はセットになってしまっているのでかなり譲歩した構成だとは理解しています。
これに関しては完結する以上、やりようがなかったと言うしか他ないのかな。
「ダブルやフォーゼならこの結末はあり得なかった(誉め意見)」という感想を見ましたが、TV本編からの延長で見れば逆にダブルやフォーゼの方が、街の人のため、友のため、教え子のためにライダーとして死ぬ完結編の方がむしろアリじゃないかと思うぐらいです。
『アルティメイタム』で弦太郎は教え子に勇気を与えるため、何故かあった溶鉱炉にフォーゼドライバーを捨てました。
あれは事実上のフォーゼの完結、フォーゼの死を示したんですよ。
ただ、映画の都合上、ウィザードとの共闘も控えていたので過去に戻って回収していますが(笑)
とにもかくにも簡単に言えば「とにかくライダーって死なせちゃダメだろ」ということですかね。
我々オーズリアタイ勢の拠り所がどうのではなく、子供向けである以上、オーズをこれから見る子にも永遠のヒーローがいなくなってしまう事実はダメだと思います。
ゴースト放送中に放映された『仮面ライダー1号』では中盤にハッキリと1号が死にます。
しかし火葬の熱風を受け、文字通り不死鳥の如く炎の中から蘇るのです。
それは死ぬことでゴーストに絡めた1号の英雄化して見せた役割の他に、単に「仮面ライダーは不滅だ」という明示なワケです。
クレジットの藤岡弘、氏のメッセージにもありましたよね。
『アルティメイタム』に話を戻せば、溶鉱炉にドライバーを捨てた後、賢吾がなんやかんかあってもフォーゼドライバーは必ず弦太郎の元に戻ってくるとフォローしたのは完結と不滅の両方をやるためだったのです。
(もちろん、相反することを直後に説明付けたので「どないやねん」と言いたくなる気持ちは分かります)
「今後、オーズはクロスオーバー作品に出ないでほしい!」なんて感想も見つけましたが、何か理由をつけて復活していいんですよ、ドライブだってなんだって。
それは、子供たちのため。
平ジェネFOのようにずっとオーズドライバーに手を当てる度に「アンク…」と言って戦ってくれるのがオーズ像なんですから。
まあ結局は、平ジェネFINのせいで小さく続編的なことをしてしまった皺寄せが今回の賛否両論を生む結果だと思うと憎いって話ですかねぇ。
(前の記事でも言った気がしますが)
あくまでこの結末に向かった経緯、結末そのものに距離を置きたいだけ。
演出やキャストが揃ったこと全てが混ざり合って作品になるので、『復活のコアメダル』そのものを否定したいわけではないですが。
まさか結果的にジオウのアンクがいない世界線で映司は元気そうという解釈が救いになるとはね…。
とはいえ、完結編を受けて過去作である『MEGAMAX』の未来アンクと映司の邂逅、そしてライダーを引き継いだアクアとの共闘に新しいニュアンスが生まれたのは面白いなと思ったり。
そうなると、ジオウの別世界線で死んでしまうアクアで変な循環が生まれてしまいますが(笑)
個人的には里中くんがこのために女優業復活してくれたのは嬉しかったです。(前も言ったような)
あと、比奈ちゃんのメディア露出も増えてくれましたしね~、とても美しくて(そこ?)
リバイスは…仮面ライダーやってた人が銭湯始めて、無意識化で火事にしたとはいえ、後に都市開発で簡単にみんなで守った銭湯を売ろうとする五十嵐元太の真相に、皆さんよく膝を打てるなと(笑)
三人兄妹に隠された秘密も「ギフ」と「義父」がかかっていた、そうですねぇ、凄いですねぇ。
じゃあ、ギフ様が見つかった場所は岐阜県でいいんじゃないですか?(鼻ほじ)