一刻も早くヒロイン軸でネオロマ系をやりなさい!(仮面ライダーセイバー第3章「父親で、剣士。」感想)
と、俺の嫁が言っていた…(倒置法)
ライオンに乗った青年の次に現れたのは空飛ぶ絨毯に乗った青年だった。
飛羽真に親しげに話しかけるその青年の名は富加宮(ふかみや)賢人。
賢人は飛羽真の幼なじみだった。
飛羽真が見る夢、15年前の出来事の何かを知っているのか・・・。
さらに異変に駆けつけた飛羽真と倫太郎の前に新たな剣士が現れる。
大剣を担ぎ豪快にメギドを一刀両断する土の剣士・仮面ライダーバスターこと尾上亮。
尾上はなんと子連れ剣士だった。
正式には“ネオロマンス系”。
いわゆる、女性向けをターゲットにした異性愛ものの恋愛ゲームを指します。
…おっと、どうやらこの話に興味がなさそうですね。
では、この話は記事の終わりに回しますので、気になる方は最後までお読み頂けたらと思います。
第3話の気になったところ
エスパーダを変身させないのならじらしが足りない
絨毯男こと、仮面ライダーエスパーダになるであろう富加宮賢人が前回の引きだったのに対して、エスパーダを登場させない構成で本当に良かったのでしょうか。
結果、蓋を開けると見られたライダーがバスターと言うのは不親切と言うかなんというか、エスパーダのジラすのであれば「変身せえへんのかーい!」と とことんジラして、次回に期待させる構成にした方が良いと思いました。
恐らく、そらくんの安否やハンザキメギドを仕留めそこなったか否かよりも視聴者はそちらの方が気になっているでしょうから(笑)
カリバーの正体隠したいのか隠したくないのか
構成が下手と言えばこちらもそうです。
カリバーの声は加工されていて変身者が誰か分からないようになっていましたが、ソード・オブ・ロゴス側の誰かがスパイ的に裏切っているという疑惑がない限り、誤魔化す必要はないと思います。
逆に今、伏せているということは今出て来たキャラクターが変身者と言うことになるともう特定されてきてしまうんですよね。
第2話でソフィアが反応した飛羽真の「覚悟を越えた先に希望はある」というのはこの先代のセイバー変身者の言葉であり、意味深に飛羽真が誰かを忘れていることから、おおよその見当がついてしまうんですよ。
実際にカリバーが先代のセイバーかどうかということより、この導きは素直に乗っかっていいのかミスリードなのか分かりにくい演出なのでモヤモヤするんですよね。
先代にしたいなら匂わせるやり取りをソフィアとエスパーダがしているのですから、変声加工せずに聞かせればいいと思いますし、伏せたいなら声優を起用して当てさせればいいのだと思います。
同じく視聴者に変身者を伏せさせたかったにも関わらず、本命には声優を起用して、どうでもいい方は聞き取りづらいほどに声を加工していた疑似ライダーがいましたが、隠したい意図が演出で筒抜けるのも面白い話です。(馬鹿にしてます)
意味深なだけの敵アジトパート
敵には敵の狙いがあって、それを少しずつ開示していく、または今回の怪人がどういういきさつで投入されたかを説明させるために敵アジトのパートは設けられているのだと思います。
しかし、ダラダラと具体性にかける会話をしているのが第1話目から大して面白くないんですよ。
今回はテンションの高い怪人が出てきたにも関わらずアンニュイな敵幹部がなんとなく接していることに時間を割くぐらいなら、思いっきり避けて、主人公側をじっくり描写する方が良いように思います。
戦隊ではこのテンション高い怪人をさばける喋りのたつ幹部がいるものですが、何をクールにやってるんだよとここでは言いたくなりましたね。
様子見たいところ
尾上の品性のなさ
ヒロインのダメさ
鍛冶屋が登場するも誰か説明不足
これらは3話目の時点で結構ダメなんですが、万が一第4話でもフォロー出来ればまあいいかなというところで見守りたいと思います。
ただ、上記の「エスパーダの引きつけが下手」、「カリバーのボソボソ声はどうしたいの」、「ダラダラやってる敵パート」、後で触れますが「バスターの戦い方が1話だけでもう単調」というところから、挽回できるかは望みが薄いでしょうね。
毛利氏のゲスト脚本で良くなったところ、悪いままのところ
ちゃんと本を絡められる
前回の『アリとキリギリス』を思い返すと、しっかり小説のワンシーンを切り取れたので多少は本モチーフのヒーローらしくなったと思います。
今までは作品を引き合いに出すものの、タイミングも引き合いに出すロジックもイマイチだったのでマシになったのかなと。
ただ、あくまで「多少」であって、『銀河鉄道の夜』のジョバンニとカンパネラは列車に乗っている時点でどういう状態かを知っている方には本編とそぐわないのはお気づきのことと思います。
怪人のモチーフと本の関係性については思うところがあるのでまた後でお話ししたいと思います。
飛羽真の決めセリフ
「その(一見悪そうな習性)は…君の良いところだ!」を再び使うようになりましたね。
戻っただけなので特出して言うことはないのですが、結局、これって悪口のままじゃないんですかね?
短所と長所は表裏一体。
悪いところも見方を変えれば良いところになるという話ですが、今回のイケメンを「仕切りたがり」と詰め寄って良いところで片付けるのは乱暴だなぁと感じました。
例えばこの言い回しでこんなのはどうでしょう?
おい!
ライダー俳優でありながら、
その人目も気にせず
煙草にギャンブルに自覚が足りないのは…!!
…君の良いところだ。
どうです?
肯定的な意見に聞こえますか?
おそらく、そういう定型文なんでしょうが、雰囲気でそれっぽい決めセリフを考えたんだろうなぁというのが透けて見えるフレーズですよね。
「物語の結末は俺が決める!」も、どこまでの瞬間を物語と指してるのか分からないので、こちらも同様に頭が悪そうで残念です。
「お前を止められるのはただ一人…俺だ!」、「はい、或人じゃないと!」とどっこいどっこい?
芽依の迷走キター!!(゚∀゚≡゚∀゚)
私、今、須藤芽依が心配です。(タッセル)
「フォーゼのユウキみたい」という感想をネットで見かけたのですが、みたいどころかモロに「来たー!」使ってますよね(笑)
しかしながら、『セイバー』に限らず時折創作物で見る「キター!」を使う若者、実際見たことがありません。
この「来たー!」はネットスラング、もしくは織田裕二が出演していた目薬のCMのワンフレーズですが、もうCMでフォーゼと同じく9年前、ネットスラングは電車男でセリフとなって15年も前なんですよ。
これは「おっさんが書くギャルはギャルになれない問題」と言っても過言ではありません。
かくいうアタシも、某アイドルマスターのピンク髪のお姉ちゃんJKギャルを推しているだけに、セリフの端々でチラつくライターのおじさんは由々しき問題なんだかんねっ!★←
芽依自体は今、話題のタレントである「フワちゃんのようなテンションで」というディレクションを受けて演じられているようですが、おじさんばかりの制作にフワちゃんの本質を見抜けているか前々から不安なところではありました。
それに限らず、前回は好奇心のあまり、ワンダーランドへ移動する飛羽真たちに自転車で突っ込んでいただけに、そらくんを拐われてしおらしくしている様は、まだ第3話ながら解釈違いが起きていると感じました。
おそらく、来週はそらくん捜索に先頭を切って向かってくれる、そのために引きとしてのお留守番だとは思うのですが、今回は初登場のバスターや初使用のピーターパンを紹介する時間のために静かに外出自粛しているというのはキャラクターが大人の都合で動かされているなぁと感じます。
『ゼロワン』のキャラクターは心の動きがおかしいので全員血の通っていないヒューマギアと皮肉った記憶があるんですが、『セイバー』もまた作品の中のキャラクターが意思で動かず誰かに動かされてるように見えてしまうような。
やっぱりオーズ
前回の記事で「セイバーの変身ギミックはオーズではなく、フォーゼのモジュールやエグゼイドの追加挿しだ」と述べさせていただきますが、訂正いたします。
間違うことなく、横オーズでした。
予告の三色になったセイバーを見た時に真っ先に感じたのは、オーズにおける基本フォームの考え方です。
オーズは同系統の色のコアメダルが揃うことでコンボとなり、強靭なパワーを得ることができます。
しかし、何故色の揃っていない組み合わせが基本フォームで、なおかつ「タトバ」と歌が付くのかという疑問に対して、ネットムービーで「3色違う色の方が3つの力であったかうライダーと分かりやすいから」と説明していたんですよね。
セイバーにおいては、1冊より2冊、2冊より3冊と追加でライドブック挿すことで強靭なパワーを得るエグゼイドの系譜なのですが、あえて赤・黄色・青のはっきりと違いの分かる3色を初使用にしたのはセイバーの仕組みを子供たちに分かりやすく示そうとするオーズの気遣いのような気がします。
もちろん、レギュラーライダーは誰であるか、それが3人戦隊の場合、ポピュラーな色であることも狙ってのことでしょう。
赤・青・黄色の融合をしたヒーローと言えば、夏映画で登場したルパントリコロールが思い出されますが、ルパンレンジャーと横の順番を変えてきたのは重複を避けるためかもしれません。
そういえば、倫太郎も本について相性があるような台詞もありました。
相性に色味が関係ないダブルやビルドと違い、やはりオーズのコンボ方式のように色で揃えるとより強くなる展開がありそうです。
「強化フォームの販促が早い」と言われる今回のセイバー3色ですが、オーズで初めてお披露目された特殊な3色のコンボは第6話のガタキリバを考えると1話完結と2話1エピが混同した作品なのでそこまで早いというわけでもないのかなと思います。
3冊使用して力を使い分けるという意味では、オーズは第1話で示していますもんね。
ベースはエグゼイドの足し算的な強化概念でありつつ、すぐ使わなくなる捨て本はフォーゼのモジュール、3冊の組み合わせを揃えた時に起こるかけ算的な利点はオーズと言ったところでしょうか。
次回予告の3つ揃ったセイバーを見てオーズの基本フォームが決まったいきさつを思い出しましたが、同時に、シンプルに見た目はダブルのサイクロンジョーカーゴールドエクストリームを思い出しました。
左右2つのダブルに対して、縦3つで差別化を図ったオーズのように、オーズからさらに差別化を図るために横3色に戻したとも考えられそうです。
類似の路線であっても、やっていない方を縫うようにやっていくのがお話に限らず、変身ギミックにおいても同様に『セイバー』の姿勢なのかもしれません。
怪人から分かること
「はんざき」とは、半分に裂かれても再生して元に戻るという岡山県の伝説から付けられたサンショウウオの別名。この名の意味するところは…4話をお楽しみに!!そんなハンザキメギドを演じていただいたのは間島淳司さん。間島さんといえば特撮好きとしても有名な実力派声優のお一人。クールに現れたかと思えば、コミカルな面も見せるハンザキを「ライダー怪人」と「戦隊怪人」の中間を狙う、絶妙なさじ加減で演じていただきました。
ライダーと戦隊の中間の怪人?
まず、私が気になったのは「ライダー怪人」と「戦隊怪人」の中間を狙うという文言です。
何故、間を狙うかは前回の記事で考えた通り、やはりこの作品自体がライダーと戦隊の間を狙っているからだということに他ならないように感じます。
次に気になったのは「クールに現れたかと思えば、コミカルな面も見せる」ですね。
本当にそうでしたか?
「サンショウウオ」の由来は山椒の匂いを纏っていることですが、それを踏まえて山椒の味である「ピリリと辛い」のくだりがあったわけですよね。
これをライダーと戦隊の中間としてどう受け止めれば良かったのでしょう。
私には限りなく戦隊ナイズに見えました。
これはキラメイジャーに任せるべきポップ寄りのキャラクター性でいいのではないでしょうかね。
ましてや人間の容姿をしている幹部たちはどいつもこいつもクールに決めているので、この山椒発言に誰も反応しないんですよね。
機能しないギャグにツッコミを入れないのは前シリーズだけでいいんですよ!!
『ゼロワン』より やかましくないだけ
マシですが、ただ流されていく寒いくだりはやめにして頂きたいところです。
本と関係あんのかハンザキさんよぉ
サンショウウオが“ハンザキ”と呼ばれる由来と岡山の伝説と直接関係がなく、化け物サンショウウオの退治の仕方もわざと食べられた青年がお腹の中から引き裂くといったものですし、退治した青年の一家を呪い殺してしまうという顛末もフィードバックされてませんよね?
じゃあ、バスターこと尾上亮はサンショウウオの呪いで死ぬんですか?
同じく、子孫のそらも死ぬ暗示ってことで良いですか?
そういうことじゃ全然ないですよね?
しかも、明確な出典もない伝承と本に何の関係があるのでしょうか?
サンショウウオの怪人は誰のアイデアか分かりませんが、コラムの内容がテキトーなのは問題です。
このコラム担当AP、大丈夫ですか?
『セイバー』最初の怪人はゴーレムでしたが、旧約聖書に出てくるのが始まりとされており、まだ本と関係はありました。
しかし、同回で紹介された『アリババ 40人の盗賊』も『家なき子』にも登場しないところが引っかかったんですよ。
『ゼロワン』ではライダーが神話モチーフになったり、ネーミングを聖書から参考にするなど、上辺だけをすくう手法が非常にチープに思っていましたが、同じ道を進みそうですね。
アリメギドとキリギリスメギドの主従関係も元の作品から繋がる部分がありませんでしたし、今回の『銀河鉄道の夜』とサンショウウオは当然何の関係ありません。
タチが悪いことに日本文学においてはサンショウウオが主人公の『山椒魚』なる短編小説が存在しており、そこについては怪人と全く関連性がないのです。
…大分前半の方で本のモチーフ関係なくなっちゃったよ!
縛る気がないのであれば、最初はコウモリメギドからでも始まればいいと思ってしまうのは懐古思想が過ぎるでしょうか。
厨二が喜びそうなメギドの提案
コウモリメギドなんてどうかなどと申し上げましたが、コウモリの羽は西洋では怪物ワイバーンの造形で例えられており、竜の力で戦うセイバーとの対峙は画になると思います。
キバの強化フォームで飛翔態なるものがありましたが、コウモリモチーフが翼竜になるのはおそらくこれに由来するものと思われます。
コウモリの怪物と言えば、マヤ神話に登場するカマソッソも有名な大型の怪物です。
鼻に刃物のよう尖っており、セイバーを含むこの世界の仮面ライダーにある顔の中央から剣が生えているデザイン酷似するのも親和性があって良さそうな気がするのですが。
(噂では次回作のキングコングとゴジラがぶつかるあのモンスターバース作品に出る予定があったとかなかったとか)
今回のサンショウウオも、英語圏内の識別では「サラマンダー(salamander)」と呼ばれ、火の司る精霊と同名になるので、見方を変えればセイバーの同属性の怪人だけあって、第3話ぐらいならそこそこ盛り上がれる悪い敵になりえたと思います。
ポケモンでは「サラマンダー=火トカゲ」がヒトカゲ、エルニュートに昇華されました。(“ニュート”はイモリの意)
ヒトカゲが竜の容姿へと進化するのはサラマンダーをドラゴンと解釈する認識によるものだと考えると、やはりセイバーと火属性の両生類の戦いは対になって盛り上がりそうです。
再生怪人の大安売り
ゴーレムと言えば、第3話にして早くもパイロット版の怪人が再生怪人になってしまいました。
正しくは『セイバー』内のメギドは再生可能という設定の説明に使われたのですが。
平成二期の中盤から怪人がこうやって設定が付いて使い回されてくるようになりましたが、個人的にこの再生可能設定がゲスト怪人とセットになっているエピソードごと安くなってしまいそうで好きではないんですよね。
特撮を見すぎた大人の見方ですが、こうやって再生される怪人は演出的にも弱体化するイメージがあるので、あまり強さの比較相手としてバスターの引き立て役にならなかったように思います。
ましてや、今回のゲスト怪人は“半分に裂いても復活するから「ハンザキ」”という伝承の、真性の再生怪人であれば、同じ相手にぶつけるのは避けるべきだと思うんですよ。
子育て王バスター
いくら守りきれるからといって、戦場に子供を連れていって良い理由にはならないと思いますが、そこは次回触れてくれると信じて、今回は戦闘スタイルについて言及したいと思います。
一撃でゴーレムメギドとハンザキメギドを葬ったわけですが、ちょっと戦闘パターンが単調じゃありませんでした?
縦に斬るか横に斬るかの差で圧倒的に強いというイメージが私には定着しませんでした。
先程お話しした通り、再生されたゴーレムメギドを一瞬で仕留めることに然程の強さを感じないですし、2度目はせめて雑魚メギドと一緒にハンザキメギドを倒すなど別のシチュエーションを用意する必要があったと思います。
ジュウオウジャーではジュウオウゴリラで圧倒的なパワーがある演出を撮っていた中澤監督ですが、前作のパンチングコングを思い出してももうパワー系の描写に引き出しがないのかと邪推してしまいました。
尾上パパの父親像がテキトーに見えるのも、バスターの戦い方が単調なのも、恐らくピーターファンタジスタのくだりを大人の事情で絶対にやらなければならず、尺の無いせいだと思いたいのですが、販促に振り回されるようでは過去シリーズもそうやって制約をこなしながら作り上げてきたものなので擁護はできないのかなと思います。
ヒロイン軸でネオロマ系
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
何も仮面ライダーにギットギトの恋愛要素を入れろというわけではありません。
異性愛でなくても人間的な尊敬・憧れをヒロインとライダー5人の間で表現できれば、新しい仮面ライダーの形になるのではないかと考えたのです。
前回、『セイバー』は戦隊にはもう出来ない実験的な男戦隊と評させてもらいましたが、その設定を活かすのに最も適したシチュエーションがメインヒロインを中心に置いた逆ハーレムという考えに行き着きました。
以前、ネットで「特撮は男のもの、女は間借りして楽しんでいるということを忘れるな」というような通称“間借りおじさん”が現れましたが、彼のツイートの炎上が証明するように性別関係なく特撮は楽しんでいいものですし、今や女性もターゲットとして十分に入っています。
今までの『セイバー』では、再三、メインヒロインの描き方がダメだという話をさせて頂きましたが、ヒロインを活かすというのは作品において面白さの鍵を握る重要な要素なのです。
セイバーの人物相関図が少し見えてきた今こそ、ヒロインの在り方を考えながら、手遅れではありますが、タラレバ話なりにセイバーがこの状況下で足りていない要素を考えていきたいと思います。
あ、ネオロマンスと言いましたが、別にコーエーの乙女ゲームでなくてもOKです(うるさい)
リュウソウういちゃんのリベンジ
ライダーにヒロインは当たり前にいましたが、戦隊での非戦闘要員のヒロインはなかなかいませんでした。
最近ですと、『リュウソウジャー』でやっとリュウソウ族の戦隊チームに対してバックアップする人間としてヒロインが配置されるという珍しい構成でしたよね。
しかし、ういちゃんは諸事情で途中退場し、戻ってくる形で最終回を迎えてしまったため、本当は作品上でどのように機能させたかったのか不完全燃焼で終わってしまったのです。
せっかく、実験的にライダーが戦隊をやっているのですから、ういちゃんで描き切れなかったことをこちらでやってみるのはアリかなと思います。
依存した前作ヒロインへのカウンター
前シリーズ『ゼロワン』は異様なまでにメインヒロインに依存した話の作りでしたし、商品展開も主人公ライダーを食ってしまうほどの量でした。
なので地続きとしてヒロインを押すシリーズというのはありだと思います。
ただカウンターとして誰からも愛されるキャラクター性をビジュアルやAIなどの見せ物たどたどしさで稼いでいたイズに対して人間味あふれるように振る必要があります。
その人間味を最大限に出すためにも物語の中心に置くべきですし、或人に固執していたイズに対して満遍なく仲間を愛せる愛されキャラとして描けたら完璧でしょう。
逆ハーならトラブルメーカーもOK
今のところ、メインヒロインである芽依のしてきたことは、ワンダーワールドで写真を撮りまくり、自転車でワンダーワールドに突っ込み意識不明になり、そらくんの目を離した隙にどこかへ連れ去られてしまうという醜態っぷりばかり。
おそらく、第4話では責任を感じて単身で探しに行ってくれると思いますが、平常運転が周りを見ずにギャーギャー騒ぐ(制作いわくフワちゃん意識)なのでプラマイゼロの印象に落ち着いてしまいそうです。
しかし、非力な真人間のヒロインがソード・オブ・ロゴス5人のために毎度献身的に右往左往するのであれば、そこまで気にならなくなるはずですし、5人が芽依に惹かれる根本の要因が何事にも懸命な姿であれば、あのトラブルメーカーが活きていくと思います。
男にも面白いぞ逆ハー
逆ハーレムものの少女漫画の実写化が成功した前例はあります。
『花より男子』や『花ざかりの君たちへ』を思い返しても、若い層の男子にも決してウケの悪いコンテンツではないはず。
花男や花君はヒロインと2人の男性の間で揺れる三角関係の構図でしたが、2002年のフジの月9で放送された『ランチの女王』では竹内結子演じるヒロインに江口洋介、妻夫木聡、山下智久の四角関係で繰り広げられる逆ハーレムもので何度も再放送された人気作品です。
私が最近のドラマに疎いだけかもしれないのですが、逆ハーレムもののドラムがほとんどやっていない今こそかえって斬新で、仮面ライダーでやってしまうある意味チャンスのように思います。
逆に男性向けのコンテンツにおいて主人公以外が女性というハーレムものは絶え間なく世に出ていますよね。
私は触りしか読んだことはないですが、平成ライダー初期頃に連載がスタートした『ラブひな』は、女子寮を任されることになった主人公が幼い頃に約束した少女との約束を果たすために東大を目指すのが大まかなストーリーで、ご存知の方は思い返して頂ければ、逆ラブひなとしてヒロイン軸の『セイバー』が成立する親和性のあるビジョンが見えてくるかもしれません。
また最近では『五等分の花嫁』という主人公に対して5人の相手というハーレム状態の恋愛ものが人気を呼び、今年完結しました。
こちらも5人のライダーということで、ヒロインが個別に絆を深めつつ、5人がぶつかりながらも協力していく様がいかに面白いかを容易に想像させてくれると思います。
主役のスキャンダルも耐えうる
うん!
大人の事情で赤と黄色が少しかすんでも大丈夫!!
BL寄りにして脇キャラに降格でも良い
ヒロインと5人のライダーが親しくなっていく様は一部のファンから不評になるかもしれません。
それに、やはり主人公格なのは本来 神山飛羽真なのですから、ヒロインを軸にしてしまうことは間違いだと思われる方もいるでしょう。
であれば、飛羽真を軸に他の4人とくんずれほんずれすればいいんですよ!(語弊)
…すみません、取り乱しました。
少女マンガ的には芽依のようにワーキャーうるさいだけの3の線の女性キャラはヒロインの横によくいがちなキャラなので、賑やかしと暫定的に置いておいて特に掘り下げず、それほど目立たせずに、せっかく女性のいない5人チームにしか出来ない関係性を築く方向に舵を切るのもありだと思います。
テレ朝では『おっさんずラブ』の成功もありますし、バスターを入れた5人のもどかしい立ち回りもありかもしれません。
前回の記事でもお話ししましたが、主人公の人たらしにより他の4人がほだされる構成はまんま『電王』なので、仮面ライダーとしての成功例もあると言えばあると思います。
とにかく今は芽依が中途半端な位置で声だけはうるさい状態なのでいっそ中央に置いてしまうか、遠く端に追いやるかするのが得策でしょう。
これからまだまだ販促ノルマはあるでしょうし、それに振り回されて微妙な構成になってる現状ですから、下手に話に絡める方が描写不足で不快なキャラになりかねないと思います。