ルナ太郎の腹筋崩壊ブログ

私は…仮面ライダーゼロワンの気になった所を大人げなく殴り書くのが仕事だから!

ココが変だよ暗殺ちゃん(仮面ライダーゼロワン第11話)

殺せない暗殺者

殺ちゃんは暗“殺”ちゃんとしておきながら、まだ人を殺めることをしていません。

これにはいくつか事情が考えられます。

 

・人を殺す描写を今のニチアサでは描けない

・本人役の俳優なので殺せない

・師弟関係の大和田氏を殺しきれなかった

・ヒューマギアのセーフティーが働いて人間に危害を加えきれなかった

 

大人の事情も合わせるとこの辺りでしょうか。

上2つは馬鹿馬鹿しい理由ですし、4番目はそもそも滅の手が加わったヒューマギアであれば可能性がなさそうなので、「師弟関係が邪魔をした」と信じたいところです。

しかし、せっかくの師弟関係も第11話では深く掘り下げられなかったので、暗殺ちゃんに躊躇いがあるのかは明言できません。

滅にターゲットを告げられた時に「師匠…」と呟きましたが、それだけで戸惑いがあったとは言えませんよね。

もし見てそう強く感じた方がいらっしゃるのであれば、それは私達が人間の価値観としての押し付けをしているだけで、そこまでヒューマギアには人間に近しい感情があると断言出来る証拠が揃っていないと思います。

そうと捉えたいのであれば、殺したくない相手を殺すという複雑な心境の描写的旨味を引き出すためにも、事を起こす前に迷う様子も描くべきでしたし、不破との対峙で悲しい表情を見せる等やりようはいくらでもあったと思うんですよね。

 

そもそも、今回のお話でいえば、大和田氏を軸として悪のアプローチでラーニングすれば暗殺ちゃんに、善のアプローチでラーニングすれば松田エンジなるという対比にしたかったのだと思います。

第10話で暗殺ちゃんがエンジの演技力を超えたのは、暗殺ちゃんの自我の問題でも、「暗殺」という役割が殺し屋の役とリンクして上手い作用が起きたのでもなく、大和田氏の向き合う姿勢が良かったからと解釈するのが一番スマートでしょう。

しかし、松田エンジは役者として完成する前に大和田氏が倒れてしまいましたし、暗殺ちゃんは何故だか大和田氏を仕留めるに至りませんでした。

これって、狙いに対して作り方が下手じゃありませんか?

どちらの側を見ても中途半端で、大和田氏はエンジの成熟も分からない上に、暗殺ちゃんを数日前に自分に弟子入りした彼だと分かった状態で凶弾に倒れたのかさえ不明ではヒューマギアのラーニングの昇華について描けていません。

或人はこう訴えています。

 

心をこめて向き合えば、ヒューマギアはそれに応えてくれます。

ですが、いい加減に扱うと、良い関係は作れません。

 

会社のイメージも大事です。

ですが、僕はそれ以上に、皆さんにヒューマギアの可能性を知ってほしいと思ってます。

 

つまり、制作のキモとしたいこの言い分が立証し切れていないんです*1

大和田氏だけでなく、視聴者にヒューマギアの可能性とやらを今回でちゃんと見せたのか、という話なんですよ。

大和田氏が心を込めて向き合った結果、暗殺ちゃんとの関係が良いものだったかを表せていないのです。

 

滅が前回で暗殺ちゃんがエンジを狙った報告を受けて、「素晴らしい」と評価しました。

非道になったからなのか、見境のない攻撃性を持ち合わせたからなのか、その評価基準も曖昧ですし、結局、アホっぽい喋り方と怪人態での容姿が変わっただけで人もロクに殺せない暗“殺”ちゃん()からはまだ卒業できていないというはいかがなものでしょうか。

ましてや相手を殺せない暗殺者なんて、人類滅亡を掲げる滅亡迅雷.netにとっては素晴らしくもなんともない「出来損ない」以外の何者でもないはずです。

つまり、第11話の見せ場は「例え殺めることがなくても、暗殺ちゃんが師匠の大和田氏を撃つことがショッキングだよね」という狙いだけで作られた雰囲気シーン*2であり、そこまでの経緯や余韻についても大して考えていない作りと言って過言ではないと思います。

 


 

殺ちゃんドードーマギアが絶対だと何故知ってる?

今回、大和田氏を撃ったのがヒューマギアであったとして報道されたわけですが、世の中的に撃った張本人である暗殺ちゃんが第9話で報道された青い目でマギア化した彼と同一視されているのか不鮮明だったので、過去回を見返してみました。

すると、コービー回の初変身以降は刃以外にマギア化を目撃されていないのが分かったのです。

 

不破は階段での対峙で「何度ぶっ壊されれば気が済む!」と発言しましたが、確かに何度か壊しているドードーマギアであっても、一度も不破は暗殺ちゃんのヒューマギア態と対峙したことはありません。

第10話冒頭のイズが見せたタブレット映像を除けば、暗殺ちゃんの容姿⇔ドードーマギアという直接的な視認は一度もしていないのです。

エイムズの施設を襲われた時に不破はいませんでしたし、不破が重傷を負った病院戦では既にマギア化した状態でした。

第10話はご存じの通り、刃の前でマギア化しており、その場に居合わせていないんですよね。

 

…「何度ぶっ壊されれば気が済む!」?

 

これは本来、暗殺ちゃんの設定を知る人間だからこそ言える台詞です。

何故か同じ容姿をし続けたまま、バックアップで復活し、同じゼツメライズキーに固執し造り直され続けている。

まだマギア態の暗殺ちゃんに言うのであれば矛盾しませんが、ヒューマギア態の暗殺ちゃんドードーマギアを指しての台詞だとしても、マギア化した後の容姿はゼツメライズキーに依存し、固定されているわけではないことを不破自身も過去の戦闘から知っているはずです。

例)

https://www.tv-asahi.co.jp/zero-one/enemy/onychomagia/img/stand.png

つまり、こちらも大和田氏を撃ったのに殺せないという筋の通らない描写に続く、視聴者目線で発したがゆえの矛盾する雰囲気描写なのです。

 

そもそも、ザイアの思惑とは言え、世の中に飛電社に濡れ衣を着せたいのであれば、

 

・暗殺を遂行するヒューマギア

・青い目でマギア化するヒューマギア

・滅らと各現場で破壊活動するマギア

 

を同じ容姿にすること自体、情報操作する上でリスクが大き過ぎません?

これで今更、「飛電社が悪い!」とする方が強引ですよね。

 

仮に、刃によってエイムズ内で情報共有し、不破に限らず隊員が暗殺ちゃんの顔を見て同じヒューマギアだと気付けるようになっていたとするなら、かえって撮影所に何度も侵入させてる時点でエイムズが無能ということにもなりかねません。

(同じ容姿の人間がいる時点で違法性があるので耳を隠そうがヒューマギアと疑われるはず)


 

殺さない暗殺者、

ミスを許されない

暗殺担当の敵幹部が

何度もやられてしまう再生怪人を担当

という矛盾

 

この頭の悪い作りに制作は気付いているのでしょうか?

再生怪人なんて思考能力が低そうな脳筋サイコパス的な不条理な敵でないと上手く作用しないと思いますし、別の幹部で用意した方がまだ利口な組織に見えたように思います。

 

 

 

やんや言いましたが、次回で暗殺ちゃんの大和田氏に対する感情が垣間見える描写があれば問題ありません。

大和田氏を撃って「ラーニング完了」と言ったからには人間をバッタバッタと暗殺してもらえれば、大和田氏を殺し損ねたことも偶然として大目に見れるでしょう。

とはいえ、ザイアの陰謀()により飛電社は窮地に陥りそうですが、今までで関わってきたヒューマギアを信じるゲストたちは或人のために何も声を挙げてくれなさそうなので、今後、大和田氏の再出演で松田エンジの補完があるなんて当然のように期待をして良いんでしょうかね。

「義理人情刑事ギリィ」を胸糞のまま、放り投げなければ良いのですが。

 

 

 

*1:あと「ですが」うるさいぞ、脚本家

*2:滅の「素晴らしい」も、大和田氏撃った後のしたり顔も雰囲気