プロジェクト・ヤイバー(仮面ライダーゼロワン第33話に向けた刃唯阿振り返り)
全国数千万人のバルキリー=刃唯阿ファンの皆様、お待たせしました。
次回、ついに唯阿が吠えます!
今まで、ZAIAエンタープライズの技術者として垓に尽くし、そして虐げられてきた唯阿が、ようやくズバッと本音を口にするのです!!
どうやら明日は、公式的に天津垓しっぺ返しシリーズ第何弾目かの刃唯阿編らしいです。
「そんなに言いたい本音も言えないポイズン状態だったのか?」も含めて、今回はこれまでの刃の言動を振り返ってみたいと思います。
…おそらく、次の感想記事で振り返ると膨大な文量になりそうなので先に別記事でまとめておこうという思惑なんですが(笑)
「道具」というワードに対する描写や不破に対する扱いの変化なども含めて各回で発した象徴的な台詞(一言しか発しない回はそれを)とどこまでが垓の命令なのかどうかも考えながら書いていきたいと思います。
<各話 刃ハイライト>
第1話
「待て、不破!私の許可無くそれを持ち出…」
銃を扱うのに髪を結わず戦う女戦士、マギア出現から通報のインターバルもなく、AIMSの技術顧問としてくすくすランドに登場です。
第2話
第1話に続き、2度目の横顔銃弾すり抜けシーンありです。
銃撃戦と長髪乱れ髪が性癖の監督とは言え、効かない銃の携行にまだ髪を結わえないのはキモいです。
第3話
「バックアップさえあればいつでも復元できる。それが人工知能。それがヒューマギアだ!例え壊しても作り直せば済む話。」
「ただの道具だ。」
第3章の“転身”、そして『道具扱い』過敏に壮大な匂わせ、お見逸れしました。
ブーメラン展開のお手本的構成のつもりだったんですよね???
専門家キャラらしい初の長台詞は漬けマグロについての説明でしたね。
第4話
「言っておくがこのプログライズキーはヤバい性能だ。お前には絶対使いこなせない。」
やばいよ、やばいよー。
ちょっとバイクの電気充電させてくださいよー。
『プロジェクト・サウザー』視聴していないんで分からないんですが、垓がコングキーを託す時に「これは120%ぐらいヤバい」とか言ってたんですかね(笑)
その後のコングの性能見てもただの扱いに困らないパワー型ですけど…。
第5話
「遅い!!」
カバンショットガンのテストした際の急かしっぷりですが、前回のお見送りとは違い、スパルタです。
不破の調教具合もテストしてるのでしょうか?
第6話
「社長さん、あなた達がすぐに廃棄すればこんなことにならなかった!」
この台詞はセイネについての話ですが、第1話から「リコールすれば?」と思っていた私たちには「それでも遅くね?」が先行してしまいます。
第7話
「道具は使いようだな。」
暗殺ちゃん捕獲するまではともかく飛電に濡れ衣を着せるための解放とあっては、結果的に暗殺ちゃん2号機の転身を手伝ったことになります。
寿司回からのバックアップどうこうの口振りで考えれば、出所不明な暗殺ちゃんの転身も先読み出来たはずですが…
第8話
「よし。」
「この間より、進化しているのか!?」
ネットで話題だった現場猫の初登場回です。
性能には驚いても暗殺ちゃんが滅亡迅雷に戻っていたことには驚くことなく、AIMSへの強襲については聞いていなかった焦りようでしたね。
前回のしたり顔から多勢にボコられ負傷するという乱高下の激しいポジションで面目は丸潰れ。
『プロジェクト・サウザー』はどこまで辻褄が合うように補完してくれているのでしょう。
第9話
「このままでは、助かる命も見捨てる事になる!!」
不破ちゃんのためにラボで或人に頭を下げます。
いきなりショットガンを投げつけた数話前が嘘のようです。
はたして、暗殺ちゃんを転身したことで助かる命が見捨てられた自覚はあるのでしょうか。
第10話
「自分を信じている…か…」
7話の撮影の件をイズにぶり返され、不破ちゃんとギクシャクしますが、不破ちゃんの言葉に心動かされます。
自分を信じた上での行動だとを確認したのであれば、これからは全て刃の責任ですね。
第11話
「1つ質問です。ゼツメライズキーが使われると…何故、お分かりだったのでしょう?」
「飛電或人社長。ご足労願えますか?」
垓の言動に疑問を抱きながら、大和田とエンジの撮影から或人を引き離します。
ということはこの後、大和田の身に起きることは不信感を抱きながらも言う通りにした刃の責任にもなるわけです。
…というか責任少しは感じてみてはどうでしょう?
第12話
「社長室の横に秘密のラボがあるのもご存じですか?」
不破を助けてほしいと頭を下げたあの場所を警察に密告します。
自分を信じた性格ブスはもう迷いません。
第13話
「でかい!」
シャイニングホッパーのライダメカの感想です。
それがレギュラーだからとりあえずいる自分を信じた刃の感想です。
第14話
「自我が芽生えたヒューマギアを衛星で検知できるか?」
「不破をこのままにしておいて本当にいいんでしょうか?いずれ自らの身を滅ぼす恐れがあります。」
宇宙兄弟の返答いわく、検知できるそうです。
しかし、第32話の段階ですら或人はデルモのシンギュラリティをその時まで把握してないようでした。
そして不破の体の心配をするウーマン、再びです。
人間ドッグで脳外科にかかるべきを敢えて避けるよう指示していたであろう人間に言って聞くのでしょうか。
第15話
「何…?異常はなかったはずだ!」
まともなAIMSの戦力はバルカンとバルキリーだけ!
帰って来た現場猫!
第16話
「AIMSもあなたの駒だったという事ですか!?私も不破も命懸けで戦ったのに!」
マギアに対する武装の貧弱さやギーガのセキュリティの脆弱性からAIMSが捨て駒なのは見抜けそうなもんですが、それでも信じていたようです。
第17話
「ただ今よりお仕事勝負第一回戦、生け花対決を行います。テーマは”初日の出”。」
誰よりも先に職を変えました。
第3章の転身編に向けて、技術顧問から5番勝負ルール説明員への先行転身です。
第18話
「では、人間とヒューマギアによるお仕事勝負、第一回戦、生け花対決再戦を始めますが…。」
司会進行も勤めます。
この辺りから不破のストーキング被害に遭っています。
第19話
「家を売るということだ。」
ルール説明員の数少ない台詞です。
第20話
「今回の勝負、売り上げ総額は我々ZAIAの勝ちだ。」
ルール説明員、お勤めご苦労様です。
第21話
「つまり有罪判決が決まれば我々の勝ち。無罪ならそっちの勝ちというわけだ。」
AIMSの職場に不満を溢した甲斐もあって、出向後の仕事内容自体は充実していそうです。
充実しているせいか、ビンゴが裁判で劣勢になると傍聴席で嬉しそうに笑っていました。
第22話
「あぁ。初公判の後、この裁判所内の控え室でな。」
裁判の司会進行は裁判長ですからね、今週は羽を伸ばしてZAIAスペックの盗難について説明しています。
第23話
「アメリカ、スターフォード大学卒、MBA取得。在学中、サウザンドネットワーク株式会社を興し、現在、ZAIAエンタープライズジャパンの社長。社員から見ても、彼は本当に素晴らしい社長です。天津社長の下で働けて光栄です。」
技術担当でありがちな長台詞、漬けマグロ以来、久しぶりに発しました。
第24話
「データが抜き取られています。心当たりはありませんか?」
目を離した隙にアークから抜き取られていたようです。
でも、アークの警備を任されていたわけではないのでルール説明員には管轄外。
そりゃ検討もつきませんよね。
第25話
「行かなくてよろしいのですか?」
5番勝負がなければ、垓の車送迎もします。
第26話
「100%…?」
冒頭の命令を忘れ、救助された人の足を心配したりしましたが、垓に一喝され、テレビカメラに映らないように119之助をマギア化させてみせます。
あのプレッシャーの中、ミスなくマギア化させてみせるなんて、刃はその手の隠蔽工作が上手いですね。
第27話
「はい…すいません…。」
…たかがルール説明担当が審査員だと勘違いして でしゃばっちゃいけませんよ!
水を被らされることなく長い髪とロングコートをたなびかせ火事現場に放り込まれましたが救急隊員の119之助より耐火性のある服で無事、取り残された福添一派救助を手伝いましたね。
第28話
「実装。」
これは仮面ライダーではないんだよ、という強調のためか決め台詞が「変身」から変更がありました。
ジャッカルレイダーとなった刃は完璧な動きでマギア化したチェケラを圧倒しますが、刃にとって初の鎌武器のはずなのにレイドライザーを渡されてから練習したのでしょう、必殺技もキマっていましたね。
第29話
「お前がやらないなら…私がやる。」
ランペイジにより超絶高いところからマウントが取れるようになった不破ちゃんのストーキングにバイオレンスさが増します。
特に垓から指示されることなく、率先してイズを破壊しようとしていました、脱道具らしい良い心がけです。
イズを壊そうとする上で、病院回で滅亡迅雷を食い止めたことに一役買ってくれた恩などは特にフラッシュバックしません。
第30話
「社長!迅が飛電のビルの方へ逃亡を!」
「それが…衛星ゼアにデータがありません…!」
5番勝負が終わってからはジャッカルレイダー担当となって、完全に怠けていますね。
先手を打って自分で考えて行動しないと。
イズが盗まれたのも、バックアップ抜かれていたのも刃の怠慢に原因はあります。
或人は解任直前、ラボで腹筋崩壊太郎と乳繰り合う余裕がありましたよ。
しかし、垓のパワハラに不破の暴力込みのストーキングにと鬱病になってしまわないかと心配になります。
出歩く際は横に男性2人ぐらい引き連れてないと不安なんじゃないのでしょうか。
第31話
「1人で生きていけるほど…この世界は甘くないぞ。」
我が道を行く一匹狼()不破への助言のつもりでしょうが、この後すぐに或人に雇われるなんて思わず、身の振りを心配してあげています。
第32話
「亡を呼び戻すために、プログラムし直した。」
前回、奪ったアサルトウルフプログライズキーにエンジニアらしく細工を施し、自分なりに考えて行動していましたね。
刃唯阿は道具じゃないぞ!
<脚本家による刃の変化>
あんまり、掘り下げ過ぎると明日の感想記事で書くことがなくなりそうなのでほどほどにしますが(笑)
脚本家別、刃のニュアンス的に
高橋…隙がある、不破に甘め
筧…キツめ
三条…性格ブス
高野…パワハラ被害のネタキャラ
と言った感じで描かれているように感じました、あくまで私の体感的なものですが。
高橋氏はメインだけあって、予想内と想定外のことに翻弄されるビジョンが見えていたためか、他の脚本家と比べると弱さを見せる描写に尺を割きがちのように思います。
それが結果的に隙や甘さへと消化されてるのではないでしょうか。
筧氏はおそらく計画の範囲内のことで慌てふためくことなく不破にマウントを取る序盤を受けてから書かれているので、そこが大きく反映されて不破にも当たりが強い、本編中でも角が強く残った刃のように見えました。
デルモ回も道具や命令うんぬんのくだりでは新ジーペン回よりもあっさり撤退したり、変身解除したように感じましたね。
三条氏は丁度欺きがちだったところからバトンを渡されたので、欺くという立ち回りが誇張されて性格ブスみが際立ったように思います。
ワズ回後半なんてシャイニングホッパーの大きさに驚いた以外にはもう一言ぐらいしか台詞なかったように思いますし。
高野氏は珍しく“お仕事5番勝負”編でのゲスト脚本で、肝心の刃は5番勝負の進行員ということもあり、活躍の場も儲けにくいので唯一残されたパワハラ受けてるキャラ要素を拾ってネタ色の強い回の色付けに回されたのでしょう。
『ビルド』の武藤氏はこのような脚本が変わることでのキャラクターのブレを嫌っていましたが、それこそが複数の脚本家が関わる作品の良くも悪くも醍醐味のように思います。
この刃のブレも、骨幹のキャラ設定さえしっかりしていれば、心の動きと解釈できるものですが、『ゼロワン』という作品においてはどうでしょうか?
<時々の頭痛は精神疾患によるものに見えなくもない>
垓に踊らされた一人とはいえ、生き生きとマギアを捕獲したり或人たちを欺いていたキャラが、2クール目の5番勝負の淡々とした司会進行を経て、3クール目で「私は道具じゃない」とトラウマのように乱されるのは少々強引のように感じます。
描かれた状況だけで考えれば、単にある程度の自由があった職場から垓の側近として働くようになり、仕事で息苦しくなり鬱気味になって道具扱いに神経が過敏になったとリアリティに落ち着けたくなりますよね。
しかし、構成的にはおそらく2クール目途中からヒューマギアの内面に触れる状況を増やしていき、“道具扱い”そのものに疑念を持たせるようにしたかったのだと思います。
証拠として、2クール目の途中までヒューマギアが本心を吐露するマギア化直前には、刃を不在にして敢えて心を動かされる状況に置かなかったのはそういう狙いの元だったからなんでしょう。
作為的な状況とは言っても、関わりが少ない間もヒューマギアを道具扱いすることに対して疑える片鱗は見せて温度を保っておくべきなので、先ほども述べましたが、序盤に描写をサボってしまった刃にとって自由意思というものが「垓をとにかく気に入らなかった」という嫌悪の塊からくる反発で落ち着いてしまわないか危惧があります。
何をもって道具扱いという言葉に変化があったかはヒューマギアの心に触れるより垓による酷い扱いが先ですからね。
病院回で善のシンギュラリティに対する可能性をイズに投げかけましたが、以後、そこを言及するようなことは発しませんでしたし。
明日の脚本はサバサバした刃を描きがちな筧脚本ということで、ある程度の感情にウェットさのあった刃で繋いできた高橋氏のバトンを、垓に反旗を翻す際にドライに戻してしまうのではないかが気になります。
垓の因果応報スカッとJAPANも大事ですが、そもそも全く描けていない道具扱いに固執する刃のバックボーンや、ヒューマギアへの道具扱いをとうとうやめる濃いエピソードを全国の刃ファンに尺いっぱいに丁寧に描いてあげるべきなのですが…。
その辺りを注目して明日に挑みたいと思います。*1
*1:全く期待はしていないけど