今までの違和感は全てこの回のためだった(仮面ライダーゼロワン第11話)
飛電の社運をかけたドラマプロジェクトが危機に陥っていた。ヒューマギア俳優・松田エンジの芝居に対して「人間の厚みを感じない」と不信感を抱いた共演の大和田伸也が、ドラマの降板を訴えているというのだ。或人は社長として、大和田説得のために動き出す。一方で、大和田伸也に芝居が認められ弟子となった暗殺ヒューマギアには『大和田伸也の暗殺』指令が下されて―――。
第11話を見て分かりました。
タイトル通り、今までゼロワンにツッコミを入れたくなるようなことは全てこの回のためだったことを。
まずは何が違和感だったかを箇条書きにしていきます。
- ・飛電社の世の中での評判(株価)がなかなか落ちない
- ・飛電社に強行捜査が行われない(エイムズも社長室に上がり込む程度)
- ・滅亡迅雷.netは人類滅亡が目的なのに主要キャラ以外で死者(瀕死の容態)が出ない
- ・名前が暗“殺”ちゃんにも関わらずなかなか誰も殺さない
- ・暗殺ちゃんは滅に造られたのに迅とは違いヘッドギアをしている
項目だけ見てピンと来る人もいるかもしれませんが、ダラダラと述べていきますので御自愛ください。
・飛電社の世の中での評判(株価)がなかなか落ちない
・飛電社に強行捜査が行われない(エイムズも社長室に上がり込む程度)
これに関しては、何故か第9話でようやく株価がどうのと物語上で問題視されました。
第9話の感想でも述べましたが、くすくすランドの段階でヒューマギアたちが暴走したとなればその時点で飛電社へのエイムズだけではなくマスメディアからも説明要求が来るはずですし、デイブレイクタウンの真相が発覚した時も滅亡迅雷.netの仕業だと飛電社の責任は追及される様子がないことが違和感に繋がります。
どうして病院でマギア化が起きて被害が出るとやっと飛電社の不信に繋がるのでしょうかね、というのもこの手の違和感ですね。
・滅亡迅雷.netは人類滅亡が目的なのに主要キャラ以外で死者(瀕死の容態)が出ない
・名前が暗“殺”ちゃんにも関わらずなかなか誰も殺さない
こちらも同じように第8話…つまりは病院回から深刻な容態の被害者が出たように思います。
滅亡迅雷.netの仕事は人類の滅亡だと忘れるぐらいに隙のある市民に引導を渡さないという違和感でした。
今回でご本人役の大和田氏はさすがに殺害されるまでには至りませんでしたが、ライダーの不破を除けば、ようやく名のあるゲストキャラクターがヒューマギアによって重傷を負いましたよね。
ゼロワン世界のマスコミの話題になるという構成のため、ヒューマギアが発砲するを目撃される込みで計算され、引っ張ったものだとは思いますが、本人役のキャラクターが初めて直接的に撃(討)たれる、ネットで話題になりそうな展開も実際に制作の狙いだったと思います。
・暗殺ちゃんは滅に造られたのに迅とは違いヘッドギアをしている
滅と迅はヒューマギアの特徴であるヘッドギアをしていません。
なぜ、人間を嫌う彼らがヘッドギアを外し、人間に近い容姿をしているか謎ではありますが、とりあえず、飛電社への反旗として飛電製であるものを装着しないという決意としましょうか。
しかし、それでも暗殺ちゃんだけはその反旗の証がない…逆に唯一ヘッドギアをしていることに違和感がありました。
暗殺を遂行するため飛電社のヒューマギアとして各所に潜入できるようにしたとも解釈できますが、それでは厚手のニット帽でヘッドギアを隠し人間のフリをした第10話が二度手間にしか見えません。
ヘッドギア装着の違和感は今回、人間に発砲する現場を目撃させるところまでを加味し、マスコミに取り上げられることを見越していたから…「全ては飛電社の風当たりを悪くするためのザイアの計画通りだった」としたかったからでしょう。
しかし、制作的な見方をすれば、暗殺ちゃんがドラマ撮影所に潜入し、殺し屋家業の役の俳優に弟子入りし、その師匠である俳優を殺めるところまでがセットになった上で東映の会議室で決められたことなのです。
つまり、全ての違和感を合わせて考えると、このタイミングで飛電社の評判が落ち、イメージアップのドラマで『義理人情刑事ギリィ』が作られ、そこで殺し屋役の大物俳優に弟子入りし、その俳優を撃つ予定だからヒューマギアに暗殺ちゃんと名づけられていた…という、文字通り全て“ゼロワンに用意されたシナリオ”だったのです。
…なんすかそれ?
こんな陳腐な筋書きで作り手がドヤってるなら令和第一弾ライダーの制作チームも酷いものですね、と言いたくなってしまいますよ。(言ってる)
第一、今の今まで飛電社がピンチに陥らなかったり、死人が出なったりした事情の説得力については説明がついていないままです。
マギア化していないヒューマギアが人に危害を加えたから飛電社が疑わしく、マギア化した場合は滅亡迅雷.netが悪いなんて、そもそもヒューマギアにマギア化の変形機構が備わってる時点で飛電社の陰謀論が出て叩かれるのが普通の見方じゃないですか。
次回予告を見る限り、ゼロワンに上位互換の新フォームも用意されそうですから、その的も考慮しての暗殺ちゃん創造までが序章の計画とも言えるかもしれませんね。
厳密にはまだ“暗殺”をしてない暗殺未遂ちゃん*1のも遅すぎますけども。
名は体を表すのは3段階も進化して、新フォームに葬られる直前からなんて晩期大成型にもほどがあるのでは?
それが綿密に計画されたシナリオですか?
ふーん。
この第11話のためにこちらはそれまで色々突っ込みたくなるところも我慢し、違和感は聞き流す形で見続けてきたわけですから、それ相応の、膝を叩きたくなる作りにしてもらわなければ困ります。
我慢して見た時間を返せ!ですよ。
恐らく、これから滅亡迅雷.netの悪行()もザイアの計画通りであったという物語上の流れになっていくと思われます。
ビルドではエボルトに突飛な計画が予定通りだったとドヤ顔され、つまりは作り手の計画通りだったという自信満々の種明かしにシラケさせられたように、今回も全て黒幕=作り手の掌でわざわざ或人たちが突飛な計画の前に踊っている様を強制的に見続けなければなりません。
あんなドデカいビルを建てた飛電社よりもさらに大きい企業があって、しかもその企業とヒューマギアを共同開発してたなんて後出しジャンケン、視聴者には「知るかよ!」じゃありませんでした?
(「広大なアーカイブ アクセスして 検索したって I don’t think it’s right.」言ってる暇あったらヒューマギアの暴走に関して疑わしい企業ぐらいマークしておけよ、この同族経営の私物化社長)
ここまでのゼロワンの勢いに丸め込まれていない方々には酷な話ですが、まだまだ我慢しつつ聞き流ながさなければならない日曜の朝は続きそうです…。
P.S.
前回に続き二度も暗殺ちゃんに撮影現場の侵入許したエイムズ、無能過ぎるのでは?
なんで、屋上の警護に隊員が一人もいない?
ギーガ奪われた時もだけど、お前らの組織もちゃんと責められるべきだろい。
*1:大森Pはコラムでbe動詞や助動詞の説明してないで「暗殺」を辞書で引くべき