不破が水を被ると刃まで濡れたことになる仕様(仮面ライダーゼロワン第27話「ボクは命を諦めない」感想)
という不破の特殊能力「パーティー全員に耐火バフ」が発動したわけですよ!!
h
https://twitter.com/toei_zero_one/
t
万が一、刃のようなロン毛でロングコートをなんの処置も施さずに無理やり火事場に放り込んで自分は水を被る輩がいるとしたら、そいつは頭どうかしてますからね!!!!
飛電インテリジェンスとZAIAエンタープライズジャパンの“お仕事5番勝負”の第4回戦「消防士の訓練対決」の最中に出現したレイダーの攻撃によって、本当の火災が発生した。
建物の中に閉じ込められた福添副社長、山下専務とヒューマギアのシェスタを救出すべく対決を超えた人間とヒューマギアの救出活動が始まる。
「命を諦めないこと」の大切さを消防隊長・穂村からラーニングした消防士ヒューマギアの119之助だったが、検索しても救出ルートは瓦礫でふさがれてしまい見つからない。
一方、或人は災いの根源であるレイダーの行方を追って―――。
<あざとい演出>
耐火といえば、119之助の燃えた人工皮膚と耐火服も気になりました。
只でさえ、ヒューマギアは人間より基礎体力があるのであれば、機能性を度外視した厚手の 火や熱に強い防護服を装着できるはずですし、わざわざ現場で燃え落ちる人工皮膚も不要の産物ですよね。
消防士用などのレスキューに関わるヒューマギアが通常のヒューマギアと素体が同じであることも謎です。
というか、マギア化の際にはいつもヒューマギア素体の白いパーツまで燃え落ちるのに何故119之助のは燃えなかったのでしょう?
マギア化する直前よりも火事場の方が温度が低いといういいわけでもあるんでしょうか(笑)
そもそも白いパーツってなんのために存在しているのでしょうか???
エンジや前回の119之助がマギア化しても上のアンナのような”剥けた“状態のまま変身解除にならないこともご都合演出だと思いましたが、ここまで来るといよいよヒューマギアの素体デザインそのものが機能性などないお飾りになってきますね。
遠回しに重箱の隅をつつくような指摘をしてきましたが、それは、大いに燃える要素がある刃にスス1つ付かないのも、耐火装備が施されてるはずの119之助がボーボー燃えてしまうのも、全て感動させるための見映えは良い綺麗事なんだということを訴えたかったからです。
救助が管轄ではないAIMSの不破が水を被って飛び込む立ち回りも、そんな不破に心動かされるも火事場に飛び込む格好ではない刃も、自身を顧みないのに消防士型の割には簡単に機能停止する119之助も、作品にしっかり根差して生きている“作品内リアル”にさえ到達していない、「狙いのために台本通り動いているだけ」というフィクションが透けてしまっているのです。
他にも、いつもならマギア化し、大破したヒューマギアが復元されるまでを見せるのに、119之助を復元しなかったのは悲劇の美談にさせるためなのでしょう。
はっきり言って姑息であざとい演出だと思いました。
いつもの記事のように「細かいことを気にしすぎだ」と思うかもしれませんが、そこまで配慮出来た きめ細やかな演出がキャラクターを作品内で初めて生きていると感じさせるのだと思いますし、見た目が差ほど崩れないキャラクターの傍らで酷く無惨な姿になるキャラクター、意味ありげなスローモーション、感動的なBGMがかかっていれば満足してしまうなんて、逆に世のサブカルにおける感動演出の大味化に一石投じてしまうことだと思うんですよね。
火事の現場に飛び込むという切羽詰まった状況に女優の顔にススのメイクと服にダメージを与えることなく感動してくれるなんてなんて簡単な客じゃないですか。
刃の存在意義は疑われていた昨今ですが、水を被る演技は男の俳優の仕事であって、女優は体当たりの演技をする必要がないのであれば、やはり刃唯阿はお飾りキャスティングと言わざるを得ないと思います。
こんなに簡単にヒューマギアの設定に矛盾を作るクセに、イズにショットライザーとレイドライザーの類似点を指摘させ、設定に整合性があるとするのもあまりにも酷いです。
あの状況なら、迅のナイフ型ライザーもZAIAが噛んでいるところまで推理が及びませんか?
<仮面ライダーが救助活動しない>
仮面ライダーとして誰も救助に当たらないのは119之助を上回る性能を出しては本当にこの勝負が本末転倒になってしまうからでしょうか。
先程も述べた通りに、消防士ヒューマギア専用のスーツや装備があっても良いはずなのに、不動産営業型のヒューマギアと素体が変わらないので、仮面ライダーはよりも救助面で劣ってしまうんですよね。
さらに言えば、仮面ライダーが介入出来ない理由にサウザーが邪魔に入るなどのシーンを差し込めば良いなど対策は容易に思い付きますが、そこはどうにか不破に良いところを見せて主要3人が火災現場に関わる描写を入れたかったという物語上のノルマ*1があって生まれたジレンマの結果のようにも思います。
それにしても変身しない理由をロジカルに設けないなんて、視聴者のツッコミが一番入りそうなところなだけに雑が過ぎますけどね。
<キャラの改善点>
キャラクターの描き方も所々、変だなぁと感じたのでそちらも指摘していきます。
先に言ってしまうと垓の行動に関しては犯罪どうこう言われてもどうしようもないかなぁ、と。
だって悪役なんて何事も警察に突き出せばいい、で話は終わるじゃないですか。
そもそもが火災現場に消防士一人と消防士ヒューマギア一体の介入しか許さないことがどうかしてるので、五番勝負自体が治外法権ということを忘れているように思いました。
横暴を繰り返すジャイアンにマジレスしたところで彼はのび太から道具を取り上げる要員みたいなものなので、物語を回す重要人物を消すべきだというゼロワンの打ち切りエンドを促しているだけの程度の低い議論のように感じます。*2
スマイル回から「警察に突き出せ」と簡単に言われてますけど、そう言う人たちは2戦2敗で勝負が終わって、逮捕され、飛電に平和が戻って文句言わないのかと逆に疑問が残ります。
とはいえ、ポッと出の開発部社員や力ずくでザイアスペックをぶんどる様は、登場時に見せた1000%なスマートさを微塵も感じられないので作りが下手くそだとは思います。
福添(一派)ですが、嫌な役を継続するなら飛電の人間でありながら119之助を信用してない台詞、良い役にするなら或人ほどまでなくても信用してる台詞を避難勝負の始まる前段で用意すべきだったと思います。
救助を待つ際のやり取りも不自然で、「ZAIAの隊員が来たら飛電の負けです、人とヒューマギアが手を取る未来は来ないのかも」「119之助を信じよう」と会話していましたが、なんで唐突にZAIAの消防士が来る話になるのかちょっと意味が分からないんですよね。
まず「誰も助けに来ないんじゃないか」や「どっちが助けに来ますかね?」から会話が始まらないと。
最近の高橋脚本でよく見るのですが、前々回で或人が「夢があるか?」と不破に唐突に聞いてくるように言わせたいフレーズのために、いきなり脈絡のない会話が始まるという違和感が凄いですよ。
それにせっかく信じる流れで締めたのであれば、コンクリを持ち上げ停止した119之助に気付いてあげるぐらいの描写があってもいいじゃないですか。
これも或人ただ一人が飛電で119之助を労っている描写に繋げるために敢えて用意しない欲張った結果だと思います。
愛社精神も含めて本編はどっち付かずのままで行こうってことなんでしょうね、福添一派は。
シェスタは購入履歴なんかの小ボケより避難を促しながら機能停止した方が秘書ヒューマギアとして感動的にすべきでしょう。
後の捨て身の119之助を引き立たせるためとはいえ、購入履歴を読み上げる無能さを見せるに留まって良いのでしょうか?
先週の女子アナといい、女性容姿に良いところがなさすぎるのでいい加減シェスタにも花を持たせる行動をさせてもいいのでは?
そうそう、女子アナについても今回で救済があって良いように思います。
例えば、救出作業をする穂村隊長の姿に心を入れ替えしっかりリポートするとか、一時は原因不明の暴走を見せた119之助でさえも大事に扱う或人を逃さず報じるなど本編の邪魔にならない程度に良い場面を作る余地はあったと思います。
しかし、ただのスイーツ好きの頭悪そうな女性で終わらせてしまいましたね。
肝心の119之助に関して。
コンクリを支えて機能停止して終わりにするのではなく、いつものようにヒューマギアの救済として復元後を見せるべきだったと思います。
結果発表の場に現れ、穂村の無事を確認する119之助を見せれば、心が動かされる穂村の心情に説得力が増しますし、その光景を見て改めて垓に口答えしようとした刃がよりハッキリ見えてくると思うんですよね。
最初に話を戻しますが、不破と刃に関しては いきなりに力ずくで刃を火災現場に連れてくのは不破として”らしい”ですが、
自身のやりたいことも分からなくなった刃にバケツの水をぶっかけて「目を覚ませ!」と一括。
「お前の信じる戦いってのは黙って見てることか!」と続ける不破。
コービー回で迅の攻撃から女子中学生を庇ったバルキリーの回想を差し込む。
回想から明けた刃の頬には雫が伝う。
それは被せられた水の一滴なのか一筋の涙なのか、どちらのようにも見える。
なんて演出を一枚挟む方がドラマティックで、視聴者も刃唯阿が何を考えているか考え直しやすくなると思うのですが、どうでしょうね?
刃は今後、『ワンピース』のナミやロビンのような壮大な正式な仲間への引き入れドラマが用意されていて、単純に温存しているだけかもしれませんが、むやみやたらと火災現場に連れていくような描写にしないためにも、もう少し刃を丁寧に描くべきだと思いました。
もし、女性にいきなりバケツの水をかけることがパワハラだなんだと恐れているんだとしたら、最初っからまともに手に余る刃なんか設定するんじゃないって話ですし。
…などと素人のチラ裏改善案、失礼致しました。
最後に。
迅が「ヒューマギアが関わらなくてもモメてる人間ってどうしようもない」と言っていましたが、あれは同じくよく見る高橋氏の手法で脚本を書いていて迅をどうにも火災現場に介入させられなかった高橋氏の愚痴、もしくはセルフツッコミみたいなものなので芯を食っていて当然じゃないかと。
…ラップバトル、楽しみ?