或人がイズにお願い出来るタイミングは一切ないゾ(仮面ライダーゼロワン第40話「オレとワタシの夢に向かって」感想)
ゼロワンの知能ともいうべきゼアが乗っ取られ、ゼロワンドライバーもアークに奪われてしまった!まさに絶対絶命の状況に、アークを倒すことを使命としていた迅さえも絶望する。
だが、或人は諦めていなかった。
新しい仮面ライダーのコンセプトを掲げ、実現しようとしているのだ。
ところが、そんな或人の目の前に仮面ライダーアークゼロが現れ、無情にも或人に致命的な一撃を放って―――。
- <矛盾しすぎな或人の狙い>
- <何十億通りも見せる必然性は?>
- <盛りすぎた未来予測数>
- <イズが見た予測数とゼアが生まれた結論は関係ない>
- <棒立ちで指ビームを受ける未来しか存在しない>
- <他力本願社長>
- <戦闘中の予測ってシャイニングホッパーでやらなかった?>
- <イズの1/3の今までになかった純情な感情>
- <ヒューマギアの涙も所詮は予測範囲内>
- <第13話の再生産でしかない第40話>
- <消えたアイちゃん、さうざー。残った1000%の口癖>
- <隠しきれないエグゼイド脚本の手癖>
毎度のことながら、てんこ盛りです。
よろしければ、お付き合い下さいm(_ _)m
<矛盾しすぎな或人の狙い>
冒頭のやり取りから何十億通りのシミュレーションを省いた現実の流れを書き出していきます。
イ「ゼア、応答してください。
応答がありません…。」
迅「何もかも終わりだ。
もうアークを誰も止められない。」
イ「そんな…。」
或「諦めるな。」
イ「或人社長。」
或「アークは…俺が倒す。」
イ「今は無理しないでください。」
或「イズ、デスクの資料を見てくれ。
イズ、君に頼みたいことがある。」
▽シミュレーション開始ポイント
迅「無駄だ。もう打つ手なんてない。
ゼアですら滅ぼされたんだぞ!」
イ「また…もうすぐここにアークが来ます。
早く逃げないと
或人社長がなくなってしまいます。」
迅「何、言ってんだよ。」
イ「理由は分かりませんが、知っているんです。
だから…」
或「落ち着けって、イズ。
これは俺の夢の集大成なんだ。
この夢を叶えるまで死ねないよ。」
イ「私だって信じたい。
でも…夢を叶える前に或人社長は…」
(イズの目に涙が。そこからセントラルメモリーが取り出され、ゼロツープログライズキーに変換される。そしてアークが襲来し、製作所を破壊。或人に指ビームを放ち…)
厳密に言うと、イズが企画書に目を通しているところからシミュレーション開始の分岐が始まっているので、そこから迅たちの方向に振り向いて「私に出来ることがあるのでしょうか」からの垓への頼み込むパターンや、その場にステイして或人が殺される様を目の当たりにするパターンに派生したわけです。
…で、
ここのどこに何十億通りのシミュレーションをするよう頼める余地があったのでしょうか。
さらにここでゼアが復活した経緯を説明した或人の台詞を抜粋します。
「今までゼアはイズに感じた心に反応し続けてきた。
イズとゼアは一つなんだ。
イズに何十億通りもシミュレーションしてもらったんだ。
どうすればイズの中のゼアを起動できるのか。
どうすればアークの予想を超えられるのか。
だからイズに俺の夢を伝えて…。
今までになかった感情がイズに芽生えた時、ゼアが起動したんだ。」
[仮説1]
或人がゼアに接続してイズに潜伏するよう促し、尚且つ、後で何十億通りもシミュレーションするようにもお願いしておく。
確かにアークゼロからゼロワンドライバーを外される瞬間、或人はゼアのデータからイズの感情に反応し続けていたことを知ります。
しかし、そこからここまでの段取りを瞬時に計算して、ゼアをイズに移す作業が出来るのでしょうか。
…無理でしょうね。
[仮説2]
企画書の中に「アークの予測・結論を超える必要がある!」と書かれており、ここからイズが或人の狙いを無意識化で汲み取って何十億通りのシミュレーションを始めた。
…こちらも無理でしょう、いや、むしろ強引な推測と言うべきか(笑)
仮に内にいるゼアを起動させてしまうぐらい覚醒したイズならそこまで察してくれるかもしれませんが、この時はまだ覚醒前のイズです。
そして、さらにこの企画書から1つ矛盾点を見つけてしまいました。
「×ゼア←今は奪われてしまった…。」
…これ、いつ誰が書いたんすか?
或人ってゼロワンドライバー奪われてから重傷で意識すらなかったんですよね?
■オレの考えた最強のゼロツー!
前回「決まってんだろ、アークも予想できないような、すっげえ仮面ライダーを開発するんだよ」と力強く答えた或人社長。
視聴者の皆さんは「元お笑い芸人の或人に開発なんてできるの?」と心配に思った方も居るのでは無いでしょうか。
実際、開発までは出来ませんでした。
(アークが早々に攻めてきたため、その時間が無かったこともありますが)
ですが、或人は魂を込めて、熱い想いの籠もった企画書を完成させていたのでした。
人間とヒューマギアが力を合わせることで生まれる新たな仮面ライダー。
或人が描いたそのコンセプトはどこかゼロツードライバーの形にも似ていて…この企画書は石森プロの資料担当金子しん一さんにいただいたアイデアを元に、助監督の竹内さんが書き上げたものです。企画チームの中で、原作サイドとして、そして企画屋としてアイデアを提供してくれる金子さんの膨大な知識と発想力。
そして1年間ずっとゼロワンの専属スタッフとして携わってきた竹内さんのキャラクター理解と作品愛。まさに力と技が一つになった企画書でした。
よーく見ると、途中で飽きてしまった或人くんが新しい仮面ライダーの名前を考えている部分もあります笑ぜひ皆さんも現在初回半額キャンペーン中のTTFCにて、一時停止して企画書を隅々まで読んでみてはいかがでしょうか。
新しい発見があるかも知れません。
確かにありましたね、新しい発見。
名指しで誰が書いてくれたか記載がありますが、時系列が無茶苦茶な企画書なんて逆に晒し首じゃありません?
話を戻しまして。
…というわけで或人がイズにお願いする暇なんてなかったんです。
第一にイズが「理由は分かりません」と言ってる以上、打ち合わせなしに何十億回もシミュレーションさせたということになりますよね?
ねえ、だからどうやって頼んだんですか?
<何十億通りも見せる必然性は?>
この数字、何を根拠に算出されたのでしょうか。
例え、数時間の出来事とは言え、お慕い申し上げている社長の死を何十億回も体験するって、人間だったら拷問のレベル、終わらない地獄ですよね。
もうなんというか『ジョジョ5部』なら“ゴールドエクスペリエンス・レクイエム”をくらったディアブロようなものです。(知らない方はすみません)
何通り目で覚醒するかも分からないのに涙を流せるほどの感情に達した時点で、残りの最大で何十億回の死も見せられたら精神的ショックからPTSDになって使い物にならなくなってもおかしくないように思うのですが。
というか、ヒューマギアを人間にも等しいと考えている或人がアークに勝つためとはいえ、大事なイズにこの地獄を味合わせるというのは非情にもほどがあると思います。
ごめんで済まさせる程度のことじゃありません。
それにこれって特別なヒューマギアの割にイズの感受性がめちゃくちゃ鈍いことになりませんか?
<盛りすぎた未来予測数>
いやぁ、感動的にしようと桁を増やしすぎましたね。
天津垓の口癖の一件で数字は盛るもんじゃないと学習してくれたと思ったんですが。
特にこの数字に深い意味はないと思うんですよ。
先日ニュースになった世界一のスパコン「富岳」も毎秒41京5530兆回と訳が分からない数字ではありますが、共通性もありませんし。
『仮面ライダー鎧武』では禁断の果実を手にした舞がこの殺し合いする未来を変えるために3回以上時間を遡ってみたり、『仮面ライダーエグゼイド』ではゲムデウィルスの抗体を生み出すために何十回もゲンムを殺したりしてましたが、さすがに何十億通りは盛りすぎです。
それだけのパターンをあの一瞬で閲覧したイズの高スペックっぷりにも笑いますが、或人の死に様にそんなバリエーションってあるんでしょうかね。
いくらコロナで撮影が延び、話数が短縮したからと言っても、同じ状況でアークに襲われるも迅に庇われるも、結局逃げずに棒立ちでアークの指ビームを受けるパターンを2つしか見せられていない身としては、この何十億という数字がただただハッタリのようにしか聞こえません。
SNSの感想でも沢山の方に言われていますが、マーベルコミックの実写化映画企画であるところMCUシリーズでは、とある敵と戦う際にDr.ストレンジが1400万回の可能性から1つの勝てる未来を見つけ、決戦に挑みました。
もしここに対抗しているのだとしたら、幼稚な話です。
<イズが見た予測数とゼアが生まれた結論は関係ない>
Dr.ストレンジの話ついでに別の切り口で見ていきます。
ネットの感想で「Dr.ストレンジが見てきた未来は14万通り!イズの予測は何十億通り!だからイズの方が凄い!」なんて、まんまと数値の多さに踊らされてるキッズを散見しました。
しかし、何十億通りを見たからと言って、イズはそこから勝利の一手を導き出したわけではないのです。
いくら分母が多くても分子が0なら結果は“0”。
先ほどもお話ししましたが、イズを覚醒させ、ゼアを蘇らせることが或人の狙いなので何十億通りは全く関係ない、むしろ無駄な回数分、イズに地獄のような予測させているかもしれないのです。
これって「アークに勝てる予測をした」のではなく、簡単に言えば「アークゼロよりさらに強いライダーシステム作ろうとした」んですよね。
それを複雑に格好よさげに言ってみただけのことなんです。
何十億通りだと盛って言えど、どのパターンも或人の死しかないのでイズを無間地獄という力技で覚醒させてゼロツーを生み出す土壌を作った…そういう話ですから、数字でマウント取ってるキッズは『ドラゴンボール』のキャラの戦闘能力でも暗記してるか、『ワンピース』の海賊たちの賞金額でもノートに書き写し続けてればいいと思いますよ。
<棒立ちで指ビームを受ける未来しか存在しない>
何故、或人がシミュレーション上で何度もアークゼロの前に丸腰で棒立ちだったのか。
その答えは”丸腰かと思いきや新アイテムを持って防いだ”を作り手が遣りたかったから以外に他なりません。
あれは3度目の同じシチュエーションでついにアークの攻撃を切り返してしまうという視聴者への意表を突く演出から逆算されて見せられた犬死シチュエーションだったのです。
迅に「逃げろ!」と促されても、逃げずに立ちはだかる様は37話でアークへの恐怖のあまりに震えて逃げ出してしまった時のアンサーのようにも思いますが、その回で既に福添に励まされ克服してますし、丸腰で殺られてしまう必然性もカタルシスも何にもないですね。
しかし、制作がこの演出を思いついて実行に移したくなってしまってはは、このバカげた繰り返される犬死の醜態なんてどうでもいいのことなのでしょう。
意味のある死、予測に抗い続けての名誉の死ではなく犬死を数十億回見せられたであろうイズのことなんて勿論、考えていないと思います。
ゼアが「こいつ、バカだから絶体絶命でもいつでも棒立ちなんやろな」と思っていたとしたら辻褄が合いますね(笑)
<他力本願社長>
「でも…俺はもう飛電インテリジェンスの人間じゃない。
俺は俺の力で爺ちゃんを超えなきゃいけないんだ。」
これは第39話でゼロワンではアークに敵わないことを知り、別の方法を模索した時の或人の台詞です。
で、或人は自分の爺ちゃんを超え…ましたか?
上で引用した通り、公式のコラムを書いてるAPですら開発を結局はゼアに任せたことを認めてますよね。
しかも、次回予告では飛電インテリジェンスに戻る展開のようでした。
そうなってくると台詞の重みがほぼなくなりますし、かえって言わないほうが良かったんじゃないかとさえ思えてきます。
ついでに第38話で飛電製作所について語る或人社長の有難いお言葉も置いておきますね。
「いや、そんなつもりもないけど…。
俺にも、守らなきゃならない会社ができたから。」
ましてや、感動的なゼロツーの件はイズの性能に任せて何度も死を重ねて活路を見出だした『Re:ゼロ』や日本の漫画原作の洋画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の主人公と違い、実際に数十億回死んだわけでも、数十億回敗北を経験したわけでもないのですからね。
涙を流すほど覚醒したイズに現実世界で企画書を見せ直して、負の感情をさらに焚き付けただけしかしてません。
<戦闘中の予測ってシャイニングホッパーでやらなかった?>
演出でそこをさらに捻って見せましたが、この未来予測の戦闘、第13話で見せたシャイニングホッパーの2番煎じですし、これも前述の通り、端的に言えばアークゼロよりゼロツーが強かったという話ですよね?
それに真正面から殴りかかったり、敵の技を真っ向から受け止めきったりと予測の手数がどうのという戦闘演出じゃなかったように思います。
SNSでは前シリーズの「ジオウⅡと能力が同じだ」と指摘されているようですが、そんなことよりも2年続けて“ジオウⅡvsアナザージオウ”のような似たような未来予測能力で戦い合う構図にしてしまったことの方が問題だと思います。
もっと言えば、ジオウⅡが出た時にスーパールパンレッドと同じ能力だと囁かれていたので、ここまで連続して似た能力で戦っているニチアサってどうなのかという話ですよ。
しかし、お話上では予測の上を行く予測だったということであれば、これからもさらにその上を行くしかないみたいな話になってくると思います。
次週以降は戦闘力のシーソーゲームから予測数のシーソーゲームになるんじゃないかと思うと肝が冷えますよ。
<イズの1/3の今までになかった純情な感情>
1クール目では或人の信頼を勝ち取ったワズに嫉妬を見せ、死を悼み、2クール目では垓に嫌な顔をしたり、5番勝負中の勝利に喜んだり、喜怒哀楽は全て見せてしまっているんですよね。
3クール目の初めでようやくシンギュラリティに達したことになり、今回でさらなる高みに行ったようです…或人の死を数十億回も見たおかげで。
そもそもイズに今までになかった感情って、抽象的ですけどなんなんでしょうか。
PTSD?
死という概念の経験ならワズや是之助で味わっているので違います。
「私の夢はその或人社長の夢を支えることです。」
夢を叶えたいという感情なら冬映画やプレジデントスペシャルで既に言葉にしていますのでこれも違いますね。
或人の説明、そしてイズの発した「私だって信じたい。でも…夢を叶える前に或人社長は…」、これらの状況から見るに叶えたい夢があるのにそれは絶対に叶えられないという絶望、この絶望こそが今までになかった感情だったのではないでしょうか。
つまり、
ゼアはイズが或人の拷問を受けて芽生えた絶望を肥やしに復活したのです。
何十億も死を繰り返し見せるのは拷問じゃないかと書かせて頂きましたが、そこから自身の夢を見せ、絶望に追い込むなんて『仮面ライダーウィザード』の悪サイドがやることですよ。
差し詰め、或人は自身のために絶望を味合わせる白い魔法使いか何度も同じ時間を繰り返し見せて力を手に入れようとするアクマイザーといったところでしょうか。
やはり脚本の高橋氏は意地が悪いのかも知れません。
思い出すと、『エグゼイド』では永夢にも非人間に荒療治という名の拷問を仕掛けてましたね。
さらに先ほどお話しした何度もウイルスで殺して抗体を作ろうとしたくだりも思い出すと、感動的に見せてるだけでやってることは大体同じでした。
アークもアズの尽力により対照的に父親、息子、両方の側面から向ける愛情をラーニングして復活しました。
以前から正のシンギュラリティがどうだ負のシンギュラリティがどうだと考察されてた方もいらっしゃるようですが、このゼアが負の感情を吸い、アークが思いやる心を学ぶ構図、ヒーローものなのに支離滅裂でめちゃくちゃ気持ち悪くないですか?
<ヒューマギアの涙も所詮は予測範囲内>
視聴者はイズの涙に感動するものの、過去の演出やオープニング映像の涙からある程度イズの表情の変化に既に慣れている、予期しているどころか、さらには別口で人間のようにベラベラ喋るアズも見せられ、覚醒したという印象がイマイチ薄かったように思います。
大体のSFモノにおいて、アンドロイドの涙というのは奇跡のように扱われます。
例えば良いタイミングで故障が起き、目からなんらかの液が涙のように漏れてしまったとか、元々開発者がアンドロイドが感極まった時に涙が流すように造っていたなど、色々な理屈をつけて、大事なシーンでアンドロイドに涙を流させる、いわばSFにおける常套演出なのです。
今回、イズが涙を流したのは今までにない感情を得たという起因は語られていますが、あの涙はなんなのかは説明していません。
「そんなことわざわざ説明する必要がないじゃないか」と野暮な見方だと反論する意見もあるかもしれませんが、現実だけでなくシミュレーションでも涙を流せてしまうとなると、そちらの方が情緒のないお話だと思いませんか?
シミュレーションで予測できる涙ということは、ヒューマギアの涙がAIの計算で予測できてしまう、奇跡なんかではないという証明になってしまうんですよ。
ただ一回、大事なシーンで涙を流すだけではよくある展開になってしまうという危惧が制作にあったのかもしれませんが、そこまで捻らずにイズの涙も乱発しなくて良かったように思います。
イズ自体が商品化し過ぎて疑問視されるほど人気っぷりなのですから、ここまで複雑な理屈にしなくともその人気と演出に身を任せても十分にゼロワンを楽しみにしていた人たちにイズの涙は刺さったように思うんですよね。
オープニングのロジカルな回収を模索しすぎ、そして予測数を盛った結果、或人に数十億回泣かされ、ゼアに当たり前のようにどこでも泣くと思われてたという酷い扱いのメインヒロインにさせられてしまいました。
イズ好きを自称する人たちは何故、怒らずにただただあの涙に感動できるのでしょう。
その節穴っぷりにも疑問を感じてしまいますね。
<第13話の再生産でしかない第40話>
引き出しがないと言えば、40話は13話を味付け濃いめにしただけでしたね。
予測を上回る戦闘演出を既にしていたシャイニングホッパーを思い返すと、いっぱいありました。
言葉で説明するのも面倒なので画像で↓
脚本家が違うとはいえ、こんなに重複してるのに皆さんはよく飽きないで見てられたと感心してしまいます。
ちなみに、ヒューマギアの耳部分からビロッと出てくるセントラルメモリーは抜き取られると機能を停止したワズのようになるはずなんですが、メモリーをプログライズキーに変換しても普通に動いていられるイズの構造ってどうなってるんでしょう?
新型だからなんて苦しい言い訳で説明つけられなくもないですが、いちいちノイズになるのでしっかりしてほしいです。
<消えたアイちゃん、さうざー。残った1000%の口癖>
アイちゃん、さうざーは予想通り、ゲスト枠としてフェードアウトしていきましたね。
個人的にはいきなりスッといなくなるのも気持ち悪いので、飛電製作所の爆風の中に消えてくれると面白いかなと思っています。
外れたのは垓の1000%の口癖が消えなかったことでした。
誠意を見せるためにやめさせられた口癖を、やめさせた本人が亡くなった時に責められて使う垓に作り手は何をさせたかったんだろうという気持ちです。
逆にまだ反省の色が足りていない、不破たちに責められるポジションの垓は制作がまだ何か新しい仕掛けを狙ってるようにも思いましたけど。
イズ、もしくはゼアが垓を気に入らないので改心していないことにした可能性も微レ?
<隠しきれないエグゼイド脚本の手癖>
今回の数十億のシミュレーションを開始するタイミングが変なので或人がイズにお願いする隙が全くないなどの詰めの甘さは、エグゼイドの夏映画で「この映画が本編のどこにあたるかはまだ謎にしてある」などと大風呂敷を広げた割に単に後日談だった雑さをあたしの中で彷彿とさせてしまいました。
(深読みした信者に正宗のリセットのタイミングで派生したパラレルだとか言われてましたっけ)
その夏映画と後の冬映画(平ジェネFIN)の時系列が合わないので世界線で時間の進むスピードが違うなどと後から苦し紛れの設定を足した時の雑さにも似ていますよね。
(パラドはこの設定の甘さからビルドの世界に何年も隔離されたことになってしまいました)
脚本の高橋氏はその手のバシッと決めなければならない設定で上手く辻褄を合わせきれないのかもしれませんね。
或人がイズに施した拷問を利用したゼロツー精製がエグゼイドであった展開に似ていることからも、書き手の手癖が見えてきます。
しかし、或人は『エグゼイド』の永夢とは違い、幼くに両親を亡くしていますが、代わりのヒューマギアの父親や是之助に愛情を注がれて育ったことになっています。
それが或人が関わるヒューマギアを思い遣る行動に繋がっているということになっているわけで、エグゼイドの永夢のように自殺という道を選びなねない過去は用意されてないんですよね。
あのチベットスナギツネのような眼差しだから合致した非人間に対する拷問も永夢だから説明がつきましたが、或人にはチベスナみもチベスナに繋がるエピソードがない分、無垢な気持ちで地獄を側近のヒロインに見せるという余計にたちの悪いキャラクターになってしまったように思います。
後付けといえど、永夢のように影のあるキャラクターに他キャラへの誠意のない行いが目立つ物語とは相性が良く、ギャグを飛ばしまくる根アカの或人に高橋氏から滲み出る誠意の感じられない物の進め方は良い効果を生まないのかもしれませんね。
過去に空白の多い或人の経歴に影を落とすエピソードを派生作品で補わなければ、令和初にしてシリーズで唯一のヒロイン拷問主人公の汚名を頂戴することになりそうです。
作品は作り手の思想、知識が反映されます。
いくら監修を入れても作り手が物理学なんて理解してなければ、精神論の天才科学者になりますし、歴史について疎ければ人類の愚かさを訴える人工知能の敵が語る話に中身はありません。
同じように作り手がキャラクターを単なる道具だと思っていれば、物語でキャラはぞんざいに扱われ、時に拷問のような、時に犬死のようなシチュエーションを何度も描くんだろうな、そう感じた第40話でした。