ルナ太郎の腹筋崩壊ブログ

私は…仮面ライダーゼロワンの気になった所を大人げなく殴り書くのが仕事だから!

あのだらしない身体に思うこと(仮面ライダーゼロワン第37話「ソレはダレにも止められない」)

 

ついに、アークが仮面ライダーの姿となって或人たちの前に現れた。

そのあまりに強大な力の前に、ゼロワンもバルカンも全くなす術のないまま倒れてしまう。

それは、人工知能を信じ続けてきた或人にとって、人間を超えたAIの能力を怖いほど見せつけられた瞬間だった。

アークに対してどう対応すればいいのか、自分を見失ってしまう或人だったが……。

一方、復活したアークは亡に新たなプログライズキーを与えて―――。 

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 https://twitter.com/hin__oe__iji/status/1279756387522736129?s=20

正直、この弁明を聞いた時、「助かったー!\(^o^)/」と思いましたよ。

ゼロワン本編といえば、ラスボスの力に圧倒される絶望展開、対立したキャラとの和解(福添)、憎まれ役の因果応報(垓の服剥ぎにフルボッコ)、裏切りキャラの謝罪、敵幹部の一斉変身、と押さえておけば とりあえずは様になる、引きつけられる展開のオンパレード。

その手の形式頼りで話のディティールが足りてないという粗を突っつく感想に迎いがちになってしまうのは目に見えていて、わざわざ自分が言うこともないなと頭を抱えていたので(笑)

(この置きに行った展開に面白さを見出だして「どこがつまらないの?」と思っている視聴者には退屈しない30分だったように思いますが)

 

或人のヒューマギアに対する過信の薄っぺらさ、福添の掘り下げの甘さ、垓を辱しめて話を盛り上げる物語の浅さ、敵幹部の掘り下げの浅さ、ラスボスのテンプレ感などは過去の記事で申し上げた通りなので、改めて言うことはないと今回の感想の切り口を思い付けずにいたところでした。

渡りに舟とはこのことです。

というわけで、この天津垓を演じる桜木氏の発言で何が引っ掛かったのかをつらつらと書いていきたいと思います。

 

 

<何故、垓は中年なのか>

 

元々、天津垓は何故45歳であらねばならなかったのかという話からしていきます。

垓はデイブレイク事件でアークを暴走させたキッカケの人物である以上、あの事件を起こす年にある程度の歳を重ね、事を起こせる立場にいなければなりません。

当時で新鋭の若手社長としても、物語の真っ只中で45歳であることは妥当な年齢設定であると思います。

 

大森:

そうすることで12年前、垓がすでにある程度の立場の人間として、飛電のヒューマギア事業に協力していたことがわかりますし、是之助との関係性も出てくる。

さらには垓が実は45歳である必要性が出てきますしね(笑)。

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しかし、そこからの10年は青年から中年へと老化を多少なりとも感じさせる年齢であるため「アンチエイジングで若く見える」という設定は、回想で是之助と並ぶ映像や写真資料を制作が作る際に天津垓の見た目の変化に気を遣わずに説明付けられる手助けにもなるわけです。

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さらに、桜木氏をメインオーディションで知った際に押さえておきたい俳優で早めに出演させていたことも語られています。

 

天津垓というポジションは当初、途中から参加する予定だったため、最初から選ぶ必要の無い役でした。

しかし、メインキャストオーディション参加していた桜木さんを逃す手は無い!ということで急遽オファーし、3話からの出演ということになったのです。

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デイブレイク事件に関与する追加ライダーに彼が指名されたという経緯において、彼が気に入られたのが先だったのか便利なアンチエイジング設定が先だったかは分かりませんが、“45歳には見えない”というキャラ付けは物語の時間経過上、必要とされて作られていったのです。

 

敢えてこの作り手に都合の良い設定を逆手に取って、ネットの食い付きを見越してもネタにしてしまうのは作る側にとって逃す手はない定石と言えるでしょう。

45歳の中年男性に「お見合いに頼るぐらいモテない」などの残念キャラのエピソードを足せば、よりネタとして特化し、思惑通りにネットで馬鹿にされながらもウケていくと思います。

そういった意味で、桜木氏が弁明した「45歳らしい身体」を目指し、太ったという判断はネタとして正しい選択のように見えますよね。

 

しかし、逆に45歳に見えない努力をし続けた人間の身体はだらしないのか?

という疑問が湧いてくるのです。

 

 

<アンチエイジングにふしだらな身体?>

 

垓がアンチエイジングしている風の会話は出てきていても、具体的にどんなアンチエイジングをしているかは語られていない以上、こちらは知る由もありません。

もしかしたら、全く考えられていないのかもしれません。

しかし、一般的に考えれば、管理された食生活、エステ、美容品の吟味以外にも適度な運動はマストで行われているはずです。

もちろん、逆ダイエットのような健康法も昨今では話題になっていますが、美を追求するあまりに痩せすぎた体型になってしまった方に推奨される方法であり、“1000%”を口癖とする天津垓が目指す先に逆ダイエット、もっと言えばだらしない食生活というのはあり得ないアンチエイジング方法だと思います。

www.instagram.com関東圏ではニチアサ後に再放送された『しくじり先生』の武田真治回をご覧になられたでしょうか。

顎関節症に悩まされた彼はトータルで身体のバランスを考えて筋肉を付ける必要があると考え、アラフィフでありながらマッチョタレントとして認知されるまでに至り、結果、天津垓以上のお歳に見えないアンチエイジングに成功したそうです。

(しくじり先生では忌野清志郎氏との出会いを経て変わったメンタルに関する講義が主でしたが)

 

なんなら福添の作品外での相方で、元(?)美食お笑いタレントの渡部健氏ですら、下半身は別の意味でだらしなくても、より美味しく食を楽しむためにジムに通って身体を鍛えていたのです。

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<大森Pの初担当作品「鍛えていますから!」>

 

と、響鬼の話に持っていきたいところですが。

私は何度かここで「ゼロワンはファイズを意識しているのでは?」という話をしてきましたので、実際にリスペクトがあるか、作品の分析が足りているかは置いておいて、ファイズに置き換えて話していきましょう。

 

ファイズの社長と言えば、交代劇こそありましたが、花形社長がまず思い浮かぶ強烈な敵幹部キャラクターと思います。

特徴的な口癖に、怪人態の圧倒的なパワー。

彼を倒すために、乾巧たちはファイズ、カイザ、デルタで猛攻を仕掛けました。


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仮面ライダーのスペックは違えど、今回、垓が変身するサウザーは滅亡迅雷.net(一人はラスボスで現状最強)の猛攻を受け、3人相手ならはね除けて見せるもアークゼロの攻撃の前に変身解除してしまうに留まれたのです。

垓だって自ら変身することなく、例えば、AIMSの精鋭から変身者を選出し、第2の不和としてポテンシャル、フィジカル共に圧倒的な力を持つサウザーを生み出すことは出来たでしょう。

反抗的な態度に出ようものならチップを埋め込み、洗脳なり頭痛を引き起こせばいい話だったのですから。

しかし、他人に仮面ライダーサウザーを任せずに、自身がサウザーになることを選んだのであれば、能力を使いこなすに相応しい身体作りをしているはずなのです。

ライダーたるもの、修練が必要というのは大森Pが響鬼でメインPの描くヒーロー像を散々見せられてきたはず。

作風こそ変わりますが、お仕事対決編の前半だけでも花形社長を彷彿とさせる並みのライダーでは歯が立たないほどの力を見せつけたサウザーを駆使する天津垓がだらしない身体というのは解釈違いのように思います。

ライダー1人程度なら簡単に返り討ち出来てしまえる花形社長の身体がだらしないと思いますか?

せめて、45歳というのは重みのあるボディというのが正しい解釈なのであれば、サウザースーツアクターは岡元次郎さん辺りが適任のはずでしょう。(スーツアクターに飛び火してすみません)

 

 

<ちょろっと太ったらプロ意識高いらしい>

 

桜木氏がインスタライブをし弁明した後、「45歳みたいな身体でだらしない」と揶揄していたネット民は手の平を返し、そういったネタの漫画を書いた絵師を糾弾し、鍵をかけるまでに追い詰めました。

元々下衆な切り口の漫画で嘲笑うタイプの作風だったので因果応報、追い詰められるのはいいんですが、まるでテラハの出演者バッシングのミニマム版でしたよね。

演者を自殺に追い込まないまでも、生配信で事情を弁明したくなる程度に界隈が馬鹿してくると恐れられていたのかもしれません。

最近、同じくボディラインでお腹が目立った他のキャラに対する必要以上の弄りを見ていれば無理もないでしょう。

演者の事情を知り、矛先を変える人間の短絡さ、幼稚さを特撮コンテンツから目の当たりに出来るなんて貴重な体験だったように思います。

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放送終了直後は特にこのブログで垓の身体のだらしなさもあのキャラのぽっこりお腹も弄ろうなんて気はさらさらなかったんですが、この界隈の一部動きの醜悪さにも記事を書く気にさせてもらった次第です。

 

演者の胸中をファンのツイートを介してを知られてからは「違うシリーズでは良い役を」や「なんというプロ根性!」という意見が増え、何も知らずに叩くだけ叩いていた輩が今度は絶賛に徹するなんて、皆さんが敬愛する『3年A組~今から皆さんが人質です~』というタイトルの刺青を鼻下にでも掘れば良いんじゃないかと思いましたねぇ。

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そんなにリスペクトしているあのドラマが身になってないなら、馬鹿にされかねないので逆に感銘を受けたと言わない方が良いんじゃないかと(笑)

 

前にもブログでお話しましたが、天津垓のような悪事を働いたものに辱しめや罰を与えることでお話を盛り上げる、言わばこれは“私刑ショー”なのです。

このショーに作り手が依存すればするほど、視聴者の傾向として私刑的に自分の指標で物事を斬る感覚が育まれ、どんな悪いことをした相手であってもネットリンチや実際のいじめに対しても肯定をする思考を養うような気がしてなりませんけどね。

(事実、劇中でリンチされる垓を誰も助けようとしませんでしたし)

 

勝手に嘲笑って、その代償に別作品で良いキャラをくれてやれってのも何様なんでしょうかねぇ~。

勝手に桐矢京介を憎み、代わりに桜井侑斗に涙させてくれる枠なんて個人の感想の救済処置で用意されるべきものなんでしょうか?

 

…脱線しました。

 

プロ根性でいえば、ハリウッド女優シャリーズ・セロンは1つの映画のために13kg、別の作品で20kgも増やして見せました。

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逆に役のために痩せた武勇伝でいえば、『ダークナイト トリロジー』で主役のバットマンを務めたクリスチャン・ベールは『バットマンビギンズ』の前の作品のために30kgも痩せ、逆にバットマンを演じるために体重を戻したりしています。

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他にも、役のために歯並びを変えたなんて逸話もあります。

この手の話は日本の俳優でも時折聞く話で、役のために歯を抜いたりする、そういう武勇伝があちこちで生まれる業界なんですが、2週間でだらしない身体になったことがそこまで凄いことなんでしょうか?

役作りに前にどこまでの身体なのかも知りませんし。

第一、役作りだったのであれば恥ずかしい身体とてプロとして堂々と話せば良いものを、ファンを使って弁明の流布を狙うなんて垓のように狡猾ですよね。

まるでファンを道具に使うようで、逆に私の中で俳優さんに対して疑念を持ってしまいました、どっちの方がダサい弁明の仕方なのかと。

しかも、前述の通り、天津垓として だらしない身体であるのが正しい解釈か怪しいんですよ?

 

 

 

<パンツ一丁を画策した者は>

 

切り刻まれた洋服が落ち、露になる裸はだらしなければだらしないほど面白いでしょう。

(貧相過ぎても面白いかも)

かえって、仕上がっているマッチョではあまり笑えないかもしれません。

そんな「マッチョと笑いは繋がらない」と出演者を弄り倒す年末のバラエティー番組で見たことがあります。

 

そういった点でも、だらしない身体作りをした俳優さんの判断は、何度も言うようですが、『ゼロワン』が下衆なお笑い番組ならば正解のように感じます。

或人は中の人がサンシャイン池崎氏を参照した大声騒音芸人ならば、ツイッターでの弄り通り、垓は裸で笑いを取るアキラ100%ならぬ、アマツ1000%に成り下がったのかもしれません。

『ゼロワン』では今まで、刃を「女性だから」と性別に偏った扱いをしないと言いつつ肩出し衣装を着せましたし、亡は「性別はない」という設定でありながら胸を膨らませたライダーのデザインにしてきました。

天津垓を「アンチエイジングで努力した者」、「ライダーに相応しい身体作りをした者」とするよりは、意識低く「45歳らしい身体」としたのは結局、先入観に飲まれた見た目に逃げる“口だけで実は意識低い系番組”『仮面ライダーゼロワン』らしいと言えば、そうなのかもしれませんね。

 

身体作りではなく、特殊メイクで太ったことを笑いにした作品がアベンジャーズにあります。

前作の大敗で荒んだソーは神のような立場でありながら、数年の間に暴飲暴食を重ね、見るからに怠惰な身体に姿を変え、見ている人から笑いを誘いました。f:id:luna_tarou:20200707172816j:image

特殊メイクは俳優の努力と言えないかも知れませんが、同じく作り手の努力ではあります。

もっと言えば、中途半端で生々しいだらしなさより、明確な肥満体型の方が子供にもウケやすいようにも思いますし、シナリオに対してキャラクターの体型の必要性がマッチしている共通認識が制作チームにあれば、このような放送中に俳優のコロナ太りに苦言を呈さずにはいられない特ヲタが大量に沸かなかったと思うのですが。

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『ゼロワン』という番組の持つ方向性とは別の話を。

パンツ一丁シーンの後、裸で倒れるザンキさん(響鬼)、幹部入りに裸になって儀式的に忠誠を誓う桐彦(ダブル)などの平成ライダーの裸文化の流れを汲んだ演出だと語る人もいらっしゃいましたが、私はそう思いません。

垓を辱しめても辱しめ足りないのは制作であって、亡の考えることなのかというのも疑問もあります。

亡に対するツケはコロナ禍で撮影がストップする前、第35話でバトルレイダーのジャックや滅に敗北を期したことで払われたようにも思うのです。

(ここにも私と作り手の間に解釈違いが起きているかもしれませんが)

 

…というのも、亡があそこで垓を裸にさせたところで大した羞恥を垓に与えられないと思えたからです。

羞恥心を焚き付けたいならもっと人がいるところで剥ぐべきですし、戦意を喪失させたいならサウザンドライバーを破壊してしまえばいい話なんですよ。

少なくとも垓は或人を貶めるべく、群衆と生中継のカメラの前で辱しめに地に足を着けさせたじゃないですか。

つまり、亡の意思など関係なく、パンツ一丁の辱しめを見せたい相手はテレビの前の視聴者、貴方なんです。

垓も怒りが先行してその場で変身をやめるなど、作り手の「裸にさせたい」が先行しすぎて裸になる必然性もロジックもなく、「視聴者に一笑い起こしたい」、「ZAIAパンツを見せたい」という思惑ばかりが浮くばかりでしょう。

 

実はこの肌を露出させる辱しめの予兆は、ゼロワン内で既に存在しています。

 

それは第22話『ソレでもカレはやってない』。
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鳴沢のサイゴはゼロワン史上サイコウとも言えるボロボロ具合。

このシーンの撮影がクランクアップだった森さん。

撮影当日は、まさかのクリスマスイブ。

森さんにとって忘れられないクリスマスイブになったに違いありません…。

Silent night, Holy night...

Violent time, Lonly time...

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東映公式のコラムでは俳優さんを小馬鹿にしたようなクソおもんな替え歌付き。

この回の監督はゼロワンのパイロット版を撮り、ゼロワンの色を決めた杉原監督であり、コラムを書いたのは中途採用で入った期待の新人APです。

彼らが参加するゼロワンの今後の展開を考える会議であれば、服をボロボロにする程度じゃ飽き足らず、刃に殴らせてもまだ、垓を辱める方法を模索した結果、肌が多い演出がはばかられる昨今でも俗なパンツ一丁に行き着くのも必然のようにも思えます。

しかし、残念ながら、この“戦闘中に技をくらって服が破ける”システム、通称『龍虎の拳』方式では破く対象がダウンしてしまったりと肝心のパンツ一丁をしっかり映せません。

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よって、無防備に立っている状況でも活用できる唐突な五右衛門方式が採用されたのです。

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彼が辱めで服(つまらんもの)を斬ることはそうそうありませんが


…と言う感じに、バンダイアパレルがZAIAパンツを提示するよりも早く、垓でもう少し笑わせたいとする制作がパンツ一丁にするアイデアに行き着いて、スポンサーにパンツの商品化を打診したと考えるのが自然ではないでしょうか。

俳優さんの太った真意は本当に語られた通りなのかは別として、この弁明も含めて特撮界隈は“だらしない身体”で大いに盛り上がり、私も確かに記事のネタを手に入れられました。

しかし、それを制作の見事な手腕、俳優のプロ根性の賜物だと簡単に評価に繋げていいのでしょうか。。。

その物議まで含めて『ゼロワン』の話に品位になってくるのですが。

 

まあ、それでも無理やり解釈すれば、亡が不破の脳内にいる時、不破の性癖から「服を切り刻んで裸にすると辱めを受けさせられる」という少年漫画でありがちなサディスティックな性描写をラーニングしてしまったが故に、あの場で垓を裸にしたと考えられなくもない…?(酷い締め)

まいっちんぐマチコ先生ホワイトボックス

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